
災害時のSNS情報を巡る前代未聞の騒動が福岡市で発生した。
河川氾濫を伝える市民投稿を「偽情報」と断じた市長が、数時間後に一転して謝罪する事態となった。
九州の記録的大雨の最中、正確な情報確認の難しさと、災害時における行政とSNSの関係性の課題が浮き彫りになった。
一体何が起きたのか―。
1. 事実整理(時系列)
📅 時系列表
日付 | 時間 | 出来事 | 関係者 | 備考 |
---|---|---|---|---|
2025年8月10日 | – | 福岡県内で線状降水帯発生 | – | 気象災害発生 |
2025年8月10日 | – | 香椎川氾濫の動画がSNSに投稿 | 市民投稿者 | 「香椎川氾濫!気をつけて」の動画 |
2025年8月11日 | 昼頃 | 市長がSNSで「偽情報」「災害対応の妨げ」と投稿 | 高島宗一郎福岡市長 | 市民投稿を否定 |
2025年8月11日 | 夜 | 市長が投稿を削除し謝罪文を掲載 | 高島宗一郎福岡市長 | 一転して謝罪 |
👥 関係者・場所一覧表
カテゴリ | 詳細 | 役割・関与 |
---|---|---|
主要関係者 | 高島宗一郎福岡市長 | 「偽情報」投稿→削除謝罪 |
SNS投稿者(市民) | 氾濫動画の最初の投稿者 | |
福岡市職員 | 現地確認・再調査実施 | |
発生場所 | 福岡市東区香椎川 | 実際の氾濫発生地点 |
関連地域 | 福岡県内 | 線状降水帯発生範囲 |
🔍 事件の核心ポイント
要素 | 内容 |
---|---|
発端 | 市民による河川氾濫動画の投稿 |
誤判断の原因 | 市職員の目視確認で氾濫を確認できず |
時間差 | 撮影時間と確認時間に約30分のズレ |
結果 | 市長の謝罪と再発防止策の表明 |
【経緯】
- 市民が「香椎川氾濫!気をつけて」の動画を投稿
- 市職員の現地確認で氾濫を確認できず
- 市長が「偽情報」と判断し投稿
- 再調査で氾濫の形跡を発見
- 市長が削除・謝罪し、投稿者にも直接謝罪
2. 事件の概要
① 発生日時・場所
2025年8月10日、福岡県内で線状降水帯が発生した際、福岡市東区を流れる香椎川周辺で氾濫が発生した。
市民がXに投稿した動画には、「香椎川氾濫!気をつけて」というテキストとともに、泥水で道路が冠水し車両が水没する様子が映っていた。
② 事件の経緯
市は当初、職員の目視確認や近くの水位計データで氾濫を確認できなかった。
さらに投稿者のアカウントがすぐ削除されたことも重なり、市は「誤情報の可能性が高い」と判断した。
高島宗一郎市長は11日昼頃、自身のSNSで「大変迷惑な事案。SNSの偽情報動画です」
「災害対応の妨げになる。虚偽情報動画はやめて」と投稿した。
③ 関係者のコメント
しかし担当職員から「偽情報と言い切れない可能性がある」との報告を受け、市が再調査を実施。
その結果、動画に映っていた車両を発見し、近くのフェンスに流木や葉の跡を確認した。
市長は同日夜、「私の情報が誤っており情けなく恥ずかしい限り。心よりおわび申し上げる」と謝罪文を掲載した。
④ 捜査の進展状況
10日の目視で氾濫が確認できなかった理由は、映像の撮影時間が職員の確認時間より約30分ずれており、
確認時には氾濫が終わっていたためと判明した。
市は投稿者に直接連絡を取り、謝罪を行った。
⑤ 今後の見通し
市は「今後は複数の情報源による確認を徹底し再発防止に努める」と表明した。
また市長は「AIフェイク動画やbotの増加に対する私自身の過度な警戒心も、今回の判断に影響した」と反省を述べている。
3. 背景説明
この事件は、災害時におけるSNS情報の信頼性確認の困難さを浮き彫りにした。
近年、AIによる偽動画の増加やbotアカウントによる誤情報拡散が社会問題となっており、
行政側も過度な警戒心を持つ状況が生まれている。
一方で、災害時のSNSは貴重な現場情報源としての役割も果たしている。
今回のケースでは、短時間で終了した局地的氾濫を市民が即座に投稿したが、行政の確認システムでは捉えきれなかった。
災害対応における情報収集と検証のバランス、そして行政とSNS情報の適切な関係性構築が急務となっている。
4. 注意書き
※この記事は、NHK、読売新聞、毎日新聞、ITmedia等の報道機関による公式発表と取材に基づいて作成しており、
憶測や未確認情報は含んでおりません。
記載されている事実関係は、各報道機関が確認済みの情報のみを使用しています。
