自民党の岸田文雄前首相は2025年8月28日、札幌市内で講演し、9月以降に前倒しで実施される可能性が取り沙汰されている自民党総裁選について言及した。
仮に総裁選が早期に行われる場合に出馬するかを問われると、「私が退陣してから1年もたっていない。現時点では全く考えていない」と明言し、出馬の意向を明確に否定した（共同通信／NHK報道より）。
岸田氏は2024年秋に政権を退陣。
昨年の総選挙後、自民は衆参両院で「少数与党」という厳しい立場に追い込まれており、党内では総裁選の前倒し実施を求める声が強まっている。
ただし岸田氏は講演で「できるだけ早いタイミングで決着をつけるべき」と述べるにとどまり、前倒しそのものの是非については明確な立場を示さなかった。
講演では国際的情勢にも言及し、「世界が政治・経済・外交の歴史的な転換点にある」との認識を示した。
その上で「『自民はもう要らない』と言われる厳しい状況でも、自民党がどういう方向性を示すのかが極めて重要だ」と強調。
与党の立場が弱まる中でも、野党との協力を通じて政治を前進させる必要性を訴えた。
背景：前倒しの総裁選を巡る動き
総裁選を予定より早めて実施するかどうかは、党内の最大の焦点となっている。
現在の自民党執行部は、衆議院で過半数を割り込んだ状況を踏まえ、党の立て直しを迫られている。
総裁人事の前倒しは、次期衆院解散や政権合意形成に直結しかねないため、与野党双方が注目。
岸田氏個人に関しては、在任中の支持率低迷や退陣劇の経緯から、党内での再評価と批判が交錯中。
再登板を望む声は一部にあるものの、世論調査を見る限り、必ずしも広範な支持があるとは言い難い（読売新聞や日経の報道を参照）。
今後の展望
岸田氏の「不出馬」明言により、総裁選の構図は大きく動く可能性がある。
現時点で有力視されているのは依然として石破茂元幹事長や茂木敏充幹事長らの名前だが、党内情勢は流動的であり、候補者の一本化が難航すれば、総裁選での分裂選挙は避けられないだろう。
岸田氏は講演で今後の政治的役割について直接は語らなかった。
ただし「野党協力を通じた政治前進」に繰り返し言及しており、単なる静観ではなく、議会運営や政策調整における影響力を保持する可能性もあると考えられる。
コメントと読者への問いかけ
岸田前首相が「不出馬」を強調したことで、総裁選は他の有力候補同士の争いに収束していくのか。
それとも水面下で再登板論が再燃するのか。
党の立て直しに向けて、自民党に必要なのは「政策刷新」か「顔のすげ替え」か。
読者の皆さんはどう考えるだろうか。
「この記事は、共同通信・NHK・全国紙の公開報道を基に事実確認を行った上で執筆しています。推測や分析部分は明確に区別し、未確認情報には注釈を付けています。最新の動向については、各公式メディアでの確認をお勧めします。」
ネット上の反応
岸田前首相の「不出馬」発言に対しては厳しい声が相次いでいる。
ある投稿者は「岸田氏の国民感情への無理解は、もう常軌を逸している」と断じ、「未来永劫再登板はあり得ない」との意見も見られた。
また「裏金問題や増税路線の責任を取っていない」「国民からNOを突き付けられたのに含みを持たせる発言」と批判する声が目立つ。
一方で「再登板を望んでいないが、不出馬判断は評価できる」と一定の評価をする意見も存在した。
だが総じてネット世論では、岸田氏の再登板には強い否定的感情が優勢であり、自民党全体の刷新が求められていることが浮き彫りになっている。
