
宮城県で今年最大規模の特殊詐欺被害が発覚しました。
2025年6月に発生した2つの事件で、70代男性が約1億900万円、60代女性が約1億2000万円の被害に遭い、総額は2億円を超える深刻な事態となっています。
警察官を騙る手口とSNS投資詐欺という異なる方法で高齢者が狙われた今回の事件について、詳しい経緯をお伝えします。
事件概要:2つの巧妙な手口で合計2億円超の被害
事例1:警察官を名乗る男による金地金詐欺
2025年6月、宮城県内に住む70代男性の携帯電話に警察官を名乗る男から電話がありました。
男は「捜査のため、口座の金の流れと自宅にある財産を教えなさい」と指示し、男性が金を所有していることを確認すると、「特殊インクで調べるので郵送してください」と要求。
男性は指示通りに**金の延べ棒5キロと金貨約1.3キロ(合計1億900万円相当)**を郵送してしまいました。
事例2:SNS投資話による暗号資産詐欺
同じく2025年6月、宮城県内に住む60代女性(会社役員)がSNSで知り合った男から「投資の勉強をしませんか」と持ちかけられました。
女性は男の指示に従って暗号資産などの口座を開設し、計1億2000万円相当の暗号資産を送金。
その後、利益を引き出そうとした際に高額な手数料を請求され、不審に思って被害に気づいたということです。
捜査状況と警察の対応
宮城県警察は両事件とも詐欺事件として本格的な捜査を開始しています。
警察によると、警察官を語る詐欺では「あなたが捜査されている」と伝えたり、偽の警察手帳や逮捕状を見せて不安をあおるケースが多いとのことです。
県警は「警察官が振り込みなど金の要求をすることは絶対にない」として、市民に注意を呼びかけています。
2025年宮城県内最高被害額を記録
今回の2件の被害額は、2025年の宮城県内における特殊詐欺被害としては最高額を記録しました。
特に注目すべきは、従来の現金振込ではなく、金地金や暗号資産といった新しい形の資産が狙われている点です。
高齢者を狙う進化する詐欺手口への警戒を
今回の事件は、従来のオレオレ詐欺から進化した新たな手口の典型例と言えます。
- 権威性を悪用:警察官という信頼性の高い職業を騙る
- 専門性の演出:「特殊インク」「暗号資産投資」など専門用語を使用
- 段階的な信頼構築:SNSでの長期的な関係構築後に犯行
特に高齢者の方は、電話での身元確認の困難さや新しい投資話への不安から被害に遭いやすい傾向があります。
家族や周囲の方は、高齢者が大きな金銭的な判断をする際には、必ず複数人で確認することが重要です。
この記事は、KHB東日本放送およびTBSの公式報道に基づき、事実確認を行った上で執筆しています。推測や分析部分は明確に区別し、未確認情報については適切に注釈を付けています。最新の動向については、公式情報源での確認をお勧めします。
