お笑いコンビ・チョコレートプラネットの松尾駿が放った一言で、SNS界が大騒動となった。 「素人はSNSをやるな」—この発言がなぜこれほど多くの人の怒りを買ったのか? 単なる失言で片付けるには複雑すぎる現代社会の構造問題が浮き彫りになっている。

事件の経緯:稲田への攻撃が引き金に
不正アクセス事件から始まった連鎖
2025年9月中旬、アインシュタイン・稲田直樹のSNSアカウントが不正アクセスの被害を受けた。
ところが、被害者であるはずの稲田に対し、なぜかSNSユーザーから誹謗中傷が浴びせられる異常事態が発生。
この光景に激怒したのが、チョコレートプラネットの松尾駿だった。
YouTube内での爆発的発言
松尾は相方の長田庄平とのやり取りで、感情を抑えきれずにこう叫んだ:
「素人が(SNSで)なに発信してんだ」
「芸能人とアスリート以外はSNSをやるな」
同僚を守ろうとする気持ちから出た言葉だったが、この瞬間から炎上の歯車が回り始める。
なぜここまで批判されたのか?SNSユーザーの本音
「素人」という言葉に込められた階級意識
多くの人が反発したのは「素人」という表現だった。
この言葉には昭和時代の芸能界の価値観が色濃く反映されている。
- かつての「のど自慢」では出場者を「素人」と呼んでいた
- プロとアマチュアを明確に区別する文化
- 芸能人が「上」、一般人が「下」という序列意識
しかし現代のSNSでは、この概念は完全に時代遅れとなっている。
「SNSは俺たちが作った」という反論
smartFLASHが報じた通り、多くのユーザーが「SNSとかネット配信って一般人が元々やっていた世界」と反発。
これは事実だ。
SNSの歴史を振り返ると:
- 個人のブログから始まったネット文化
- YouTubeも一般人の動画投稿サイトとしてスタート
- Twitterは個人のつぶやきを共有する場として誕生
芸能人がSNSに本格参入したのは、むしろ後発組。
「俺たちが先にいた場所になぜ偉そうに乗り込んできて、出て行けと言うのか」という怒りは当然だろう。
メディア各社の反応:温度差が浮き彫りに
理解を示すメディアと批判的なメディア
AERA DIGITALの見解
「最悪だよ。一生、電子機器を使えない生活にしてほしい」という誹謗中傷への怒りについては多くの視聴者も共感したと報じた。
同僚を思う気持ちは理解できるというスタンス。
J-CAST ニュースの心配
松尾が「ヒルナンデス!」に出演予定であることから、番組への影響を懸念する声を紹介。
芸能界への実害を心配する論調だった。
松尾の対応:動画削除で終了?
批判を受けて松尾は該当YouTube動画を非公開に設定したものの、詳しい説明や謝罪は行っていない。
この「逃げ」の姿勢が、さらなる批判を呼ぶ結果となっている。
専門家が指摘する本質的問題
田辺ユウキ氏の鋭い分析
芸能ライターの田辺ユウキ氏は、この問題の核心を以下のように分析している:
問題の本質
- 説明不足による誤解の拡大
- 選民思想に近い意識の露呈
- 持論の暴走と配慮の欠如
必要な対応
- 動画削除だけでは炎上が一人歩きする
- 「言葉足らず」を認めた補足説明が必要
- 影響力のある立場としての責任を果たすべき
この分析は非常に的確で、単なる批判ではなく建設的な解決策を提示している点が評価できる。
炎上の裏にある構造問題
芸能界の「プロ意識」vs SNSの「平等主義」
この炎上は、実は現代社会の大きな価値観の衝突を象徴している。
芸能界サイド
- 長年の修行と努力でプロになった自負
- 技術と実績に基づく階層意識
- メディア露出への責任感
SNSユーザー サイド
- 表現の自由と平等な発信権
- 多様な価値観と職業への敬意
- 既存権威への反発心
どちらも間違ってはいないが、お互いの立場への理解が不足していることが問題の根本にある。
昭和と令和の価値観ギャップ
松尾の発言は、昭和時代の芸能界では当たり前だった価値観の表れ。
しかし令和の時代には、この感覚は完全にアップデートが必要になっている。
昭和の常識
- 芸能人は特別な存在
- 一般人は「素人」で区別される
- メディア出演が権威の象徴
令和の現実
- 個人がメディアを持つ時代
- 職業に貴賤なしの価値観
- インフルエンサーが芸能人を超える影響力
今後の展望:歩み寄りは可能か?
松尾に求められる真摯な対応
田辺氏が指摘するように、松尾が信頼を回復するためには以下が必要だろう:
- 具体的な説明:なぜあの発言をしたのか、真意を丁寧に語る
- 価値観の見直し:時代に合わない考え方があったことを認める
- 建設的な対話:SNSユーザーとの相互理解を図る姿勢
SNSユーザーに必要な冷静さ
一方で、SNSユーザー側にも求められることがあるのでは:
- 攻撃ではなく対話を選ぶ姿勢
- 相手の立場や背景への理解
- 建設的な批判と破壊的な攻撃の区別
まとめ:令和時代の新しい関係性を模索
松尾の発言は確かに問題があった。
しかし、この炎上を単なる「叩き合い」で終わらせてしまうのはもったいない。
現代社会では、芸能人もその他の職業の人々も、それぞれが価値ある存在として互いを尊重し合う関係性が求められている。
影響力のある立場の人ほど、発言には慎重さが必要な時代になった。
だからこそ今回の件は、お互いを理解し合い、新しい時代にふさわしい関係性を築く貴重な機会として捉えたい。
炎上から学び、成長につなげることができれば、それこそが令和時代の成熟した対応と言えるだろう。
この記事は公開されている報道資料と公式発表を基に作成しております。推測部分は明確に区別し、未確認情報には適切な注釈を付けています。最新情報は公式発表をご確認ください。
ヤフーコメントに見る世論の反応
添付されたヤフーコメント資料によると、松尾発言への批判が圧倒的多数を占めている。
「松尾氏の根底には、『素人』として一般人を下に見る傾向があったのかと思う」「選民思想みたいな傲慢さを感じさせます」との声が相次いだ。
特に「SNSの価値に芸能人がただ乗りしてるだけであることを理解した方が良い」「芸人さんってこの方に限らず、芸能人でない人のことを素人さんってよく言うよね」と、芸能界の体質そのものを問題視する意見が目立つ。
一方で少数ながら「内輪の雰囲気で深い意図もなく発言してる可能性だってあるしね」と擁護する声も存在した。
ただし全体的には「なぜそのように思うのか?本人なりの考えをしっかり話をして私達を納得させるようにして欲しい」と、松尾への説明責任を求める論調が支配的となっている。
