経済学者で元財務官僚の高橋洋一氏が、自民党総裁選に立候補した小泉進次郎農林水産大臣に対して極めて厳しい評価を下している。
複数のメディア出演で示された高橋氏の見解は、小泉氏の政治手法や政策内容への根本的な疑問を浮き彫りにしている。

公約への痛烈批判「これはひどい」
高橋氏が最も強く批判しているのは、小泉氏の総裁選公約の内容だ。
MBSラジオ「上泉雄一のええなぁ!」に出演した高橋氏は「これ参議院選挙の時の公約と一緒じゃないですか」「選挙負けた公約を使ってるってのはちょっともうありえないじゃないですか」と述べている。
特に「2030年度までに国内投資135兆円、平均賃金100万円増を目指す」という政策について、高橋氏は「ひどいなと思いましたよ。これ ひどい」と痛烈に批判し、有権者の支持を得られなかった過去の公約をそのまま使い回すことの問題性を指摘している。
一方で、小泉氏陣営は記者会見で、日銀の物価上昇目標2%を前提に「名目賃金は年3%増える」との試算を示し、政策の根拠を説明した。
「しゃべらせない戦略」への驚き
ABCテレビ「正義のミカタ」に出演した高橋氏は、小泉氏陣営の選挙戦略について「とにかくしゃべらせない。露出をさせないっていう戦略」と分析し、「もうびっくりですけどね」と驚きを表現している。
高橋氏はさらに「告示から投票まで12日って、党規約の最短なの。それは短くして、なるべく(話させない)…。党の主催の討論会も、ものすごく少ない」と説明し、討論機会を意図的に制限している可能性を指摘した。
この戦略について、政治ジャーナリストの青山和弘氏は「今の執行部は、やはり小泉さん支持の人が多いので。かといって、完全に逃げたと見られたら損なので」とコメントしており、党内の力学が影響している可能性を示唆している。
政治的立場への懸念
高橋氏は小泉氏の政治的立場についても言及した。
総裁選の候補者について「高市さん以外は全部石破路線」と分析し、小泉氏についても石破茂氏の路線を継承する可能性があることを示唆している。
Yahoo!ニュースに掲載された高橋氏のコラムでは「小泉氏は石破氏と近かったために、石破路線を引き摺るように思える」と指摘し、「高市氏のほうが岸田・石破政権の政策から大きく転換する」との見解を示した。
支援者の動きへの驚き
加藤勝信氏が小泉氏の選対本部長に就任したことについて、高橋氏は「びっくりしましたけど」と述べ、予想外の人事だったことを明かした。
高橋氏によると、加藤氏の義姉がFacebookで「安倍さんは高市さんを支援していた」と投稿していたことを紹介し、この人事の意外性を強調。
今後の展望
高橋氏は総裁選の展望について「高市対その他って感じ」と表現し、高市氏以外の候補が似通った政策路線であることを指摘。
一方で、複数の報道では小泉氏が有力候補として扱われており、菅義偉元首相や河野太郎元デジタル相の支持を受けていることが強調されている。
・【例】 “党員調査”トップ人気は小泉氏…“石破票”も40%超が小泉氏へ
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