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高市早苗総裁選の地域別支持分析|党員票で見る都道府県ごとの政治傾向

こんにちは、なおじです。

2025年自民党総裁選の党員票は、興味深い地域的傾向を示しました。

高市早苗氏は全国47都道府県のうち19都道府県で1位を獲得。

関西・関東の大都市圏を中心に圧倒的な支持を集めました。

一方、小泉進次郎氏は東北地方と沖縄で強さを発揮。

地元神奈川を含む5県で党員票トップとなりました。

林芳正氏は中国地方を中心に3県で1位を獲得しています。

この地域ごとの支持の違いは、何を意味するのでしょうか。

都道府県別の詳細データから、日本の政治地図を読み解いていきます。

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目次

都道府県別の支持基盤分析

小泉進次郎氏の地域的強み

小泉進次郎氏が党員票で1位を獲得した都道府県は以下の5県です。

1. 神奈川県
地元である神奈川県では、安定した支持を獲得しました。

小泉家の地盤として長年培われた信頼関係が反映されています。

2. 福島県・青森県・岩手県
東北3県で小泉氏が優勢となった背景には、いくつかの要因が考えられます。

震災復興への関心、農業政策への期待、若手改革派への支持などです。

東北地方は伝統的に若手政治家への支持が強い傾向があります。

3. 沖縄県
沖縄県では小泉氏が2,447票で最多、高市氏は1,343票で2位でした。

この結果は特に注目に値します。

沖縄で小泉氏が圧勝した理由として考えられるのは:

  • 対中外交への柔軟な姿勢への期待
  • 基地問題への対話的なアプローチ
  • 保守色の強い高市氏への警戒感
  • 若手政治家への期待

小泉氏支持の地域的特徴
東北地方と沖縄という、一見共通点のない地域で支持を集めた小泉氏。

しかし、よく見ると両地域には「中央政治への不満」という共通項があります。

改革派・若手への期待が、小泉氏支持につながったと分析できます。

林芳正氏の地域的強み

林芳正氏が党員票で1位を獲得したのは以下の3県です。

1. 山口県
地元である山口県で優勢を示しました。

安倍晋三元首相の地元でもある山口県は、保守的な政治風土を持ちます。

2. 広島県
中国地方での林氏の支持基盤の強さを示す結果です。

外交経験への評価、穏健派への支持が反映されています。

3. 熊本県
九州地方での林氏優勢が確認されました。

林氏支持の地域的特徴
林氏は中国地方を中心とした西日本で支持を集めました。

地元の信頼感、外務大臣としての実績、穏健な政治姿勢が評価されたと見られます。

派閥政治の伝統が残る地域での支持が特徴的です。

高市早苗氏の圧倒的支持基盤

高市早苗氏は17〜19都道府県で1位を獲得し、党員票全体でも119票(40.3%)と圧勝しました。

高市氏優勢地域の特徴

関西圏
地元奈良県をはじめ、大阪府、京都府、兵庫県、和歌山県で1位。

関西圏での圧倒的な支持が、高市氏勝利の基盤となりました。

関東圏
東京都、千葉県、埼玉県で優勢

大都市圏での経済政策への期待が反映されています。

その他の地域
北海道、宮城県、群馬県、富山県、石川県、長野県、静岡県、愛知県、三重県、愛媛県、高知県、長崎県など。

高市氏支持の理由分析
大都市圏で高市氏が強かった背景には:

  • 積極財政への期待(経済成長重視)
  • 経済安全保障への関心
  • 女性初の総裁への期待
  • 保守層の結集
  • 物価高対策(給付付き税額控除)への支持

なぜ地域で支持が分かれたのか

都市部と地方の違い

大都市圏(高市氏優勢)
東京、大阪、名古屋などの大都市圏では、経済政策が最大の関心事です。

積極財政、半導体投資、AI戦略など、成長志向の政策が支持されました。

地方部(小泉氏・林氏が健闘)
東北や中国地方では、地域経済の活性化、農業政策、地方創生が重視されます。

若手改革派の小泉氏、実務派の林氏への支持が集まりました。

世代間の違い

世論調査のデータによれば:

  • 高市氏は30〜50代の支持が厚い(各年代で40%台)
  • 小泉氏は20代と70代以上で支持が高い(各30%台)
  • 林氏は20代と70代以上で支持がある(各30%台)

この世代間の違いが、地域差にも影響していると考えられます。

政策の違いが反映された結果

高市氏(給付派)
給付付き税額控除など、直接給付を重視。
低所得層から中間層への支援を訴求。

小泉氏・林氏(賃上げ派)
賃金上昇による実質所得向上を重視。
企業の成長を通じた経済改善を主張。

この政策の違いが、支持基盤の違いにつながりました。

決選投票での都道府県票配分

第1回投票の党員票結果は、決選投票で以下のように反映されました。

都道府県票47票の配分

  • 高市早苗氏:36票(76.6%)
  • 小泉進次郎氏:11票(23.4%)

各都道府県で第1回投票時に1位だった候補に1票が配分される仕組みです。

高市氏が19都道府県で1位を獲得した結果、決選投票でも圧倒的な都道府県票を獲得しました。

党員票での地域的な支持基盤の違いが、決選投票でも明確に表れた形です。

麻生派の判断が決め手に

麻生太郎元首相は麻生派(43人)に対し、「党員票が多かった候補に投票するよう」指示したと報じられました。

この指示が実行された結果:

  • 党員票で圧勝した高市氏への支持が決まった
  • 派閥の論理より党員の民意を尊重する判断
  • 自民党の変化の兆しを示す象徴的な出来事

日本の政治地図から見えること

この総裁選の地域別結果は、日本の政治状況について重要な示唆を与えています。

大都市圏の保守化
東京、大阪などの大都市圏で保守派の高市氏が圧勝。
経済成長への期待が、保守回帰につながっています。

地方の多様化
東北は改革派、中国地方は穏健派と、地方ごとに異なる政治傾向。
一枚岩ではない地方の実態が浮き彫りになりました。

世代間の意識差
若年層と高齢層で支持候補が異なる傾向。
世代間の価値観の違いが、政治選択にも影響しています。

まとめ:地域分析が示す日本政治の未来

2025年自民党総裁選の都道府県別分析から、日本政治の構造が見えてきました。

高市早苗氏は大都市圏を中心に19都道府県で支持を集め、最終的に新総裁に選出されました。

小泉進次郎氏は東北・沖縄で、林芳正氏は中国地方で、それぞれ独自の支持基盤を築いています。

この地域差は、単なる地元優位というだけでなく、政策の違い、世代の違い、都市と地方の違いを反映しています。

高市新総裁には、大都市圏の期待に応えつつ、地方の声にも耳を傾ける政権運営が求められます。

党員票の地域的な支持分布を理解することが、今後の政治を読み解く鍵となるでしょう。

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執筆:なおじ(元社会科教師・政治ブロガー)

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