こんにちは、なおじです。
高市早苗新総裁の経済政策の中でも、特に注目されているのが産業政策です。
半導体、AI、量子技術など、日本の未来を左右する分野に大胆な投資を行う構想を掲げています。
この記事では、高市氏の産業政策の全体像をわかりやすく解説します。

高市早苗の産業政策の基本戦略
高市新総裁の産業政策は、4つの柱で構成されています。
第一に「危機管理投資」です。
これは国家の安全保障を守るための投資で、防衛力強化や災害対策を指します。
第二に「経済安全保障」です。
重要な技術や物資を海外に依存せず、国内で確保する戦略です。
第三に「積極財政」です。
政府が大胆に投資することで、経済を刺激する方針です。
第四に「技術主導型成長」です。
半導体やAIなど先端技術への投資で、日本経済を成長軌道に乗せる戦略です。
高市氏は過去に経済安全保障担当大臣を務めており、この分野には特に強い思い入れがあります。
市場もこの政策に強く反応しました。
高市氏の総裁就任直後、日経平均株価は4万7,000円台に突入。
防衛、宇宙、通信インフラ関連の銘柄が軒並み上昇しました。
経済安全保障とは何か
「経済安全保障」という言葉、少し難しいですよね。
なおじなりに、わかりやすく説明します。
経済安全保障とは、国の安全や経済を守るために必要な技術や物資を、他国に依存せず確保することです。
具体例を挙げましょう。
新型コロナウイルスが流行した際、マスクや医薬品の多くを中国に依存していたため、国内で不足しました。
また、半導体不足で自動車生産が止まったこともありました。
こうした事態を防ぐため、重要な技術や物資は国内で生産できる体制を整える必要があります。
高市氏が特に重視しているのは、半導体、AI、量子技術、バイオなど先端技術です。
これらは軍事にも民生にも使える「デュアルユース技術」と呼ばれます。
他国に技術を握られると、安全保障上のリスクになるのです。
高市氏は「国産技術の重視」を明確に打ち出しています。
海外からの技術導入だけでなく、日本独自の技術開発を推進する方針です。
半導体・AI分野への戦略投資
高市新総裁の産業政策で最も注目されるのが、半導体とAI分野への大規模投資です。
ラピダスへの支援
ラピダスは、次世代半導体の国産化を目指す日本の半導体企業です。
政府は既に8,025億円の追加支援を決定しています。
さらに、ラピダスは政府出資1,000億円を要請しました。
事業計画全体では約5兆円が必要とされ、うち約2兆円は目処が立っています。
ラピダスは2027年の量産開始を目指していますが、資金面での課題が残っています。
高市氏は自民党半導体議連の会長を務めており、ラピダス支援に積極的です。
AI投資と税制優遇
高市氏はAI分野への投資も重視しています。
企業トップからも「AI投資に期待する」との声が上がっています。
具体的には、AI関連企業への税制優遇措置が検討されています。
研究開発費の税額控除拡大や、AI人材育成への支援などが想定されます。
ただし、AI普及には大量の電力が必要です。
AIデータセンターの電力需要は急増しており、電力供給が課題となっています。
高市氏はメガソーラーに反対の立場ですが、AI時代の電力をどう確保するかが問われています。
国産技術へのこだわり
高市氏は「国産技術」を強く重視しています。
海外の技術を導入するだけでなく、日本独自の技術開発を推進する方針です。
これは経済安全保障の観点から、重要な技術を自国で保有する必要があるためです。
半導体やAIは今後の産業の基盤となる技術であり、他国依存は避けたいという考えです。
量子技術とバイオ分野への取り組み
量子技術への国家プロジェクト
量子技術とは、量子力学という物理学の原理を応用した技術です。
従来のコンピュータでは解けない複雑な計算を、短時間で処理できる可能性があります。
高市氏は2021年の総裁選で、量子技術を「国家プロジェクトとして大規模投資する」と明言しました。
量子技術は安全保障上も重要だと認識しています。
日本では既に、国産量子コンピュータの初号機が2023年に公開されています。
高市氏が経済安全保障担当大臣時代に、量子コンピュータプロジェクトへの支援を表明していました。
量子暗号通信の実用化も推進されています。
これは盗聴が原理的に不可能な通信技術で、国家機密や企業情報の保護に有効です。
光ファイバー網の強靭化と合わせて、セキュアな通信インフラを整備する計画です。
バイオ・医療分野への支援
高市氏はバイオ分野も重視しています。
特にゲノム医療や健康医療安全保障に力を入れる方針です。
ゲノム医療とは、個人の遺伝情報を活用して最適な治療を行う医療です。
高市氏が政調会長や科学技術担当大臣を務めた際、ゲノム医療やバイオ戦略を推進しました。
今後は「ラボから市場まで」の実用化支援を強化します。
研究室レベルの技術を、実際に製品化・事業化するまで支援する仕組みです。
バイオ関連のスタートアップには減税措置も検討されています。
製薬企業やバイオベンチャーにとっては、大きなビジネスチャンスとなる可能性があります。
エネルギー政策の新展開
高市新総裁のエネルギー政策は、原発推進と新技術開発の二本柱です。
原発再稼働と次世代革新炉
高市氏は明確な原発推進派です。
既存原発の再稼働を加速するとともに、次世代革新炉の開発を進めます。
次世代革新炉とは、安全性を大幅に高めた新型の原子炉です。
従来型より小型で、事故時の安全性も向上しています。
高市氏は「エネルギー自給率100%」を目標に掲げています。
現在、日本のエネルギー自給率は約12%と非常に低く、多くを輸入に依存しています。
原発再稼働と再生可能エネルギーの拡大で、自給率を高める戦略です。
核融合炉の早期実装
核融合とは、太陽で起きているのと同じ原理でエネルギーを生み出す技術です。
原子力発電とは異なり、放射性廃棄物がほとんど出ません。
また、燃料は海水から取れるため、資源の枯渇リスクもありません。
高市氏は核融合炉(フュージョンエネルギー)の早期実装を目指しています。
実用化はまだ先ですが、将来の究極のエネルギー源として期待されています。
ペロブスカイト太陽電池の普及
ペロブスカイト太陽電池は、日本発の次世代太陽電池です。
従来のシリコン型より軽く、薄く、曲げられるのが特徴です。
製造コストも安く、ビルの壁面や車の屋根など、様々な場所に設置できます。
高市氏はこの国産技術の普及を強力に推進する方針です。
メガソーラーには反対ですが、ペロブスカイト太陽電池のような分散型の再生エネルギーは支持しています。