こんにちは、なおじです
「日本の最大の問題は人口減少だ」——高市早苗首相がこう宣言したのは、就任直後の所信表明演説でした。
そして本日2025年11月18日午前、その言葉を実行に移すべく「人口戦略本部」の初会合が首相官邸で開催されたんです。
元社会科教師として35年間、地域の子どもたちの成長を見守ってきた私には、この問題の深刻さが身に染みてわかります。

教室の生徒数が年々減っていく現実、地域の商店街がシャッター通りになっていく様子、若者たちが次々と東京へ出ていく姿…。
これは統計の数字じゃなくて、私たちの日常なんですよね。
この記事では、人口戦略本部とは何か、なぜ今設置されたのか、そして私たちの暮らしにどんな影響があるのかを、元教師の視点からわかりやすく解説していきます。
人口戦略本部とは
人口戦略本部は、高市早苗首相をトップとして2025年11月18日に正式設置された、政府の新しい司令塔組織です。
設置の背景と目的
初会合で高市首相はこう述べました。
「誰もが自ら選んだ地域で住み続けられる社会を実現するため、人口減少対策を総合的に推進する」
これまで人口減少問題は、こども家庭庁が少子化対策、内閣府が地方創生、厚生労働省が社会保障…というように、バラバラに対応してきました。
でもこれじゃダメだったんです。人口減少は日本社会全体に関わる問題ですから、府省庁を横断して統括する組織が必要だったんですね。
人口戦略本部の3つの役割
人口戦略本部には、大きく分けて3つの役割があります。
①政策の司令塔機能
各府省庁がバラバラに進めてきた政策を、「人口減少」という共通の視点で統合します。
こども家庭庁、内閣府、厚生労働省、文部科学省、国土交通省など、関係する府省庁が多岐にわたるため、この調整機能が非常に重要なんです。
②府省庁への指示と調整
人口戦略本部は単なる調整役ではなく、各府省庁に対して指示を出す権限も持っています。
これによって、縦割り行政の弊害を乗り越えることができるわけです。
③中長期ビジョンの策定
2026年度中には「人口戦略」という包括的な計画を策定する予定です。
これには出生率の回復策、地方移住の促進、外国人材の受け入れ方針なども含まれる見込みです。
高市首相が重視する理由
「人口減少なんて、ずっと前から言われてたじゃないか」と思う方もいるでしょう。
でも、状況は想像以上に深刻なんです。
加速する人口減少の現実
総務省の推計によると、2024年10月1日時点の日本の総人口は1億2380万2000人で、前年から55万人(0.44%)減少しました。
これは14年連続の減少で、しかも減少ペースが加速しているんです。
さらに衝撃的なのが出生数です。
2024年の出生数は68万6061人で、初めて70万人を割り込みました。
国の予測より15年も早い減少ペースなんですよ。
元教師として肌で感じるのは、この数字が「未来の教室の空席」を意味しているということです。
なぜ「最大の問題」と位置づけたのか
高市首相は所信表明演説で「日本の最大の問題は人口減少である」と明言しました。
なぜここまで強調するのでしょうか。
人口減少は単なる統計の問題ではなく、国家の存続に関わる根本的課題だからです。
経済、社会保障、地域コミュニティ、国防、教育…あらゆる分野に影響が及びます。
特に深刻なのは地方です。
高市首相は就任当初から積極財政と地方創生を重視してきました。
その経済政策の根底にあるのも、実はこの人口減少問題なんです。
若者が地方に住み続けられるようにするには、雇用、教育、医療、交通など多岐にわたる政策が必要で、それを統括するのが人口戦略本部の役割というわけです。
自民党と維新の連立合意で明記
実は、人口戦略本部の設置は偶然ではありません。
2025年10月、自民党と日本維新の会が署名した連立政権合意書に「この臨時国会中に政府に人口減少対策本部(仮称)を立ち上げる」と明記されていたんです。
つまり、政権の最重要課題として位置づけられていたわけですね。維新との政策合意を実現する形で、本日の初会合に至ったということです。
人口減少が地域社会に与える影響
ここで、元教師として私が実際に目にしてきた地域の変化をお話しさせてください。
教育現場で感じた変化
35年間教師をしてきましたが、最も印象的だったのはクラスの人数がどんどん減っていったことです。
私が教師になった頃は1クラス40人近くいましたが、退職する頃には20人台のクラスも珍しくなくなりました。
学校の統廃合も進み、母校が閉校になる卒業生の悲しみを何度も見てきました。
部活動の指導をしていても感じたんです。
バスケ部の部員が集まらなくて、他校との合同チームを組まざるを得なくなることもありました。
子どもたちの可能性が、人口減少で狭められていく…そんな現実を目の当たりにしてきたんです。
地域コミュニティの希薄化
人口減少は、地域の支え合いの仕組みも壊していきます。
商店街がシャッター通りになれば、お年寄りの買い物の場がなくなるだけじゃなく、住民同士が顔を合わせる機会も失われます。
地域のお祭りや伝統行事を継承する若者もいなくなる。
子育て中の親が孤立し、高齢者も孤独になっていく…。
これって、まさに今の日本の地方で起きていることなんですよね。
行政サービスの維持が困難に
人口が減れば税収も減ります。
でも道路や水道などのインフラは維持しなきゃいけない。
バスや電車の本数は減り、病院も遠くなる。
結果として「この地域に住み続けるのは無理だ」と判断する人が増え、さらに人口が減る…という負のスパイラルに陥ってしまうんです。
高市首相が「誰もが自ら選んだ地域で住み続けられる社会」を目指すと言ったのは、まさにこの悪循環を断ち切るためなんですね。
人口戦略本部の具体的な取り組み
では、人口戦略本部は具体的に何をするのでしょうか。
府省庁横断の総合対策
人口減少対策には、さまざまな政策が関わってきます。
- 少子化対策(こども家庭庁):子育て支援、出産祝い金、保育の充実
- 地方創生(内閣府):移住促進、企業誘致、テレワーク支援
- 雇用政策(厚生労働省):若者の就業支援、非正規雇用の改善
- 教育政策(文部科学省):地方の教育環境整備、学校統廃合の支援
- 社会保障改革(厚生労働省):高齢化に対応した制度設計
- 外国人材政策(法務省):外国人の受け入れ基準の見直し
これらをバラバラではなく、統合的に推進するのが人口戦略本部の役割です。
2026年度中に包括的な人口戦略を策定
連立政権合意書では、2026年度中に包括的な「人口戦略」を策定することが明記されています。
この戦略には、出生率の目標、地方移住の数値目標、外国人材の受け入れ方針なども含まれる見込みです。
ただし、外国人政策については「外国人比率が高くなった場合の社会との摩擦」も考慮するとされており、慎重な議論が必要とされています。
地方税制の見直しも視野に
高市首相は所信表明演説で「税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に向けて取り組む」とも述べています。
これは、地方が人口減少下でも行政サービスを維持できるよう、税制面からも支えるという意味です。
具体的にどんな制度になるかは今後の検討次第ですが、地方財政の安定化は人口減少対策の重要な柱になりそうです。
よくある質問
Q1:人口戦略本部と少子化対策は何が違うの?
A:少子化対策を含む、もっと広い取り組みです。
少子化対策は「子どもを増やす」ことに焦点を当てていますが、人口戦略本部はそれだけではありません。地方創生、雇用政策、社会保障改革、外国人材の受け入れなど、人口減少社会に対応するあらゆる政策を統括します。
つまり、「子どもを増やす」だけでなく「人口が減っても持続可能な社会を作る」ことも視野に入れているんです。
Q2:地方創生との違いは?
A:地方創生は人口戦略の一部です。
これまで地方創生は内閣府が担当してきましたが、人口戦略本部が設置されたことで、少子化対策や雇用政策とも連携した、より総合的な地方支援が可能になります。
例えば、地方に企業を誘致するだけでなく、その地域で子育てしやすい環境を整え、教育も充実させる…といった一体的な取り組みが期待されます。
Q3:外国人材の受け入れは増えるの?
A:慎重に検討される見込みです。
連立政権合意書では「外国人の受け入れに関する数値目標や基本方針を明記した人口戦略を策定する」とされています。ただし、「外国人比率が高くなった場合の社会との摩擦」も考慮するとあり、無制限に受け入れるわけではありません。
高市首相も所信表明演説で「外国人材を必要とする分野があることは事実」としつつ、「一部の外国人による違法行為やルールからの逸脱に対し、国民の皆様が不安や不公平を感じる状況が生じている」と指摘しており、国民の理解を得ながら慎重に進める姿勢です。
Q4:私たちの暮らしにどんな影響があるの?
A:地域で住み続けやすくなることが期待されます。
具体的には、こんな変化が期待できます:
- 子育て支援の充実:経済的支援、保育の整備
- 地方の雇用機会増加:企業誘致、テレワーク支援
- 教育環境の維持:地方でも質の高い教育を受けられる
- 公共交通の維持:バス路線の確保など
- 医療・介護の充実:地域医療の支援
ただし、これらは政策が実際に実行されて初めて実現します。人口戦略本部が「絵に描いた餅」にならないよう、私たち国民も注目していく必要がありますね。
Q5:人口減少は本当に止められるの?
A:簡単ではありませんが、諦めるわけにはいきません。
正直に言えば、人口減少を完全に止めるのは非常に困難です。でも、減少のスピードを緩やかにすること、人口が減っても持続可能な社会を作ることは可能です。
元教師として思うのは、子どもたちが「この国で家庭を持ちたい」「この地域で暮らし続けたい」と思える社会を作ることが何より大切だということです。そのための総合的な取り組みが、まさに人口戦略本部に期待されているんですね。
まとめ
本日2025年11月18日、高市早苗首相をトップとする人口戦略本部が初会合を開きました。
これは単なる新しい組織の誕生ではありません。
日本が直面する最大の課題「人口減少」に、政府全体で本気で取り組むという決意表明なんです。
元社会科教師として35年間、地域の変化を目の当たりにしてきた私には、この取り組みの重要性が痛いほどわかります。
教室の空席が増えていくたび、商店街のシャッターが下りるたび、「このままじゃいけない」と思ってきました。
人口戦略本部が本当に機能するかどうかは、これからにかかっています。
府省庁の縦割りを乗り越え、地方自治体とも連携し、具体的な成果を出せるか。
私たち国民も、ただ見守るだけでなく、地域で何ができるかを考えていく必要がありますね。
未来の子どもたちが「この国に生まれてよかった」「この地域で暮らし続けたい」と思える社会を作る。
それが、私たち大人の責任だと思います。