
石破茂首相の“続投宣言”に冷や水を浴びせたのは、菅義偉副総裁と小泉進次郎農林水産相だった。
9月6日夜の公邸会談で両氏は「自発的退陣」を迫り、総裁選前倒し論が沸騰する党内を鎮める算段に出た。
参院選惨敗で地方組織が離反し、麻生太郎最高顧問ら長老も石破降ろしに動く中、首相の“解散カード”は封じ込められるのか――。
本稿では舞台裏の交渉と今後のシナリオを多角的に読み解く。
目次
事実関係 ― 公邸会談のポイント
会談の概要
・日時:9月6日夜
・出席者:石破茂首相、菅義偉副総裁、小泉進次郎農林水産相
・所要時間:菅氏は約30分で退席、小泉氏は約2時間滞在
・主目的:総裁選前倒し論による党分裂を避けるため、首相に“自主退陣”を要請
なお、首相は同日夕方に側近の赤沢亮正経済再生担当相とも協議し、自身の進退を慎重に検討している。
退陣要請の“裏側” ― 3つの要因
- 参院選大敗で求心力急落
7月の参院選で自民党は改選過半数を割り、総裁選前倒しを支持する県連が19に達した。 - 総裁選前倒しのカウントダウン
9月8日の両院議員総会で前倒し可否が決定。国会議員の賛同者は100名超に拡大し、反対派を圧倒すると報じられる。 - “解散カード”封じ
石破首相は衆院解散を示唆して延命を図るが、「大義なき解散」は党内からも強い反発を招いている。
キープレーヤーの思惑
人物 | 立場・狙い | 背景 |
---|---|---|
菅義偉 | 党内融和を掲げ、退陣で傷口を最小化 | 2021年に小泉氏から「出馬断念」を説得された経験がある |
小泉進次郎 | “若手の調停役”を演出し求心力を高めたい | 地方票を握り、キングメーカーを狙うとの観測 |
石破茂 | 続投意欲は維持も、解散権行使に党内が警戒 | 「退陣報道は誤報」と一度は否定し求心力回復を図るが効果は限定的 |
麻生太郎 | 総裁選前倒しを後押しし、派閥影響力を温存 | 長老として次期体制で発言力を確保 |
今後のシナリオと影響度
シナリオ | 発生確率 | 党内影響 | 政局帰結 |
---|---|---|---|
① 首相が自主退陣→臨時総裁選 | 高 | 分裂を最小化、地方票主導の短期決戦 | 新総裁が早期解散で民意を問う可能性 |
② 前倒し可決・首相居座り(総理・総裁分離) | 中 | 党内混乱、支持率急落 | 野党は不信任案提出で包囲網 |
③ 首相が解散総選挙で対抗 | 低〜中 | 「大義」不在で造反リスク | 選挙敗北なら退陣不可避 |
④ 前倒し否決・首相続投 | 低 | 県連・若手が離反し再炎上 | 年末再度の退陣論 |
筆者(なおじ)視点 ― 読者が知りたい“3つの焦点”
- 地方組織の反乱は誰を押し上げるか
参院選議席の減少で割を食った地方議員が、岸田・河野・高市のどの陣営に流れるかがカギ。 - 菅・小泉ラインの真の目的
“ポスト石破”人事で主導権を握り、派閥横断の新体制を描く布石とも読める。 - 解散カードの賞味期限
来年の通常国会までに解散できなければ、石破首相はレームダック化する恐れが強い。
読者への問いかけ
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※この記事は産経新聞・日経新聞・NHK・東洋経済オンラインなど大手報道機関の公開情報を照合し作成しています。推測箇所は明確に区別し、未確認情報は含めていません。