2025年9月17日午後、小泉進次郎農林水産大臣が首相官邸で石破茂総理と約40分間会談し、9月22日告示予定の自民党総裁選に立候補する意向を正式に伝えた。
小泉氏は会談後、記者団に対し「物価高や治安不安、外交・安全保障などの課題に向き合うため、まず自民党が現体制をしっかりと立て直すことが先決だ」と出馬理由を説明した。
注目すべきは、石破政権の看板政策である防災庁設置や農政改革について「しっかりと引き継ぎ、巻き戻らないように進めたい」と政策継承を明言したことである。

石破総理との会談で何が語られたか
17日の会談で石破総理は、小泉氏に対しコメの増産政策について「決して巻き戻ることがないように、不可逆的に進めてもらいたい」と強く要請した。
これは石破政権が推進してきた農業政策の核心部分であり、後継政権による政策転換への懸念を示したものと考えられる。
また石破総理からは「地方のことをしっかりお願いしたい」との要望もあったとされ、地方創生を重視してきた石破路線の継承を求める姿勢が鮮明となった。
小泉氏は会談について「首相が引き継いでもらいたいと記者会見で話したものをしっかり引き継ぎたい」と応じ、石破政権の政策的レガシーを受け継ぐ意向を示している。
2度目の挑戦となる小泉氏の戦略
小泉氏にとって今回は2024年に続く2度目の総裁選挑戦となる。
前回の経験を踏まえ、今回は加藤勝信財務相を選挙対策本部長に据える人事を発表している。
加藤氏は安倍晋三・菅義偉両政権で官房長官や副長官を歴任し、保守系議員連盟「創生日本」のメンバーでもある。
この起用により、小泉陣営は保守系・右派層の支持を取り込む戦略を展開していると分析される。
13日には地元の神奈川県横須賀市で支援者との会合を開き、「今は解党的出直しが必要な状況で、自分にできる役割を担いたい」と決意を表明していた。
地元後援会「経泉会」の森洋会長は「万雷の拍手だった。熱量は去年より倍増している」と手応えを語っている。
政策スタンスに変化の兆し?
注目されるのは、前回の総裁選で掲げた「選択的夫婦別姓」への言及である。
産経新聞によると、小泉氏は16日の会見で「自民党が処した状況が非常に厳しい中、大きなことを言うよりも、まず党内が団結できる環境を作ることが重要だ」と述べ、今回は主張を後退させる可能性を示唆したと報じられている。
これは党内融和を優先する姿勢の表れと見られるが、政策の一貫性をどう保つかが問われることになりそうだ。
激戦必至の総裁選レース
現時点で5名の候補が出馬の意向を固めており、激しい選挙戦が予想される。
小泉氏以外には、林芳正官房長官(64)、小林鷹之元経済安保担当大臣(50)、高市早苗前経済安保担当大臣(64)、茂木敏充前幹事長(69)が立候補の意向を表明している。
総裁選は9月22日告示、10月4日投開票の日程で実施され、党所属の国会議員295人に加え、同数の党員・党友票により、合計590票を争う「オールスター方式」が採用される見込みである。
党内分裂リスクと政策継承の課題
複数候補による選挙戦は、過去の総裁選同様に党内分裂のリスクを内包している。
特に今回は石破総理の退陣を受けた「ポスト石破」選びとなるため、政策路線の継承性が重要な争点となっている。
小泉氏が石破路線の継承を明言したことは、政策の安定性をアピールする戦略と考えられる。
だが、保守派からは岸田・石破と続く失敗路線の継承とも受け取られる可能性もあるのではないだろうか。
選挙で大敗をきした石破路線と政策面での差別化をどう図るかが課題となるだろう。
また、継承を明言した防災庁の設置や農政改革といった具体的な政策について、実現に向けた工程表や財源確保の方策なども今後の論戦で問われることになりそうだ。
今後のスケジュールと注目点
小泉氏は9月20日に都内で正式な出馬会見を行う方向で調整を進めている。
そこで具体的な政策公約や選挙戦略が明らかになる予定。
総裁選では、経済政策(物価高対策、賃上げ促進)、外交・安全保障政策、党内融和などが主要な争点となると予想される。
小泉氏がこれらの課題にどのような解決策を示すか、そして石破路線の継承をどこまで具体化できるかが勝敗を左右する要因となりそうだ。
自民党は現在、支持率低迷という厳しい状況に直面している。
新総裁には党内結束と国民の信頼回復という重要な使命が課されており、10月4日の投開票に向けて各候補の政策論争が本格化することになる。
この記事は、公開されている報道資料と公式発表をもとに、事実確認を行った上で執筆しています。推測や分析部分は明確に区別し、未確認情報については適切に注釈を付けています。最新の動向については、公式情報源での確認をお勧めします。
ヤフーコメントに見る世論の反応
小泉進次郎氏の総裁選出馬表明に対するヤフーコメントは、批判的な論調が圧倒的多数を占めている。
批判的意見では
「小泉氏は選択的夫婦別姓制度の導入を隠す戦略を取り始めた。これは政治家として信用できない」「財務省の言いなりだった石破首相から、小泉氏にバトンタッチされれば、更に財務省の手足になりそう」との声が目立つ。
政策継承への疑問
「石破政権の政策継承」に対する疑問も多く寄せられている。「石破政権は選挙結果が最悪だったのにその政策を継承するのでは党員票を減らす」「退陣する総理の政策を継承するとはどういう思考か」と継承戦略を疑問視する意見が相次いでいる。
少数派の評価
「高市氏より小泉氏の方が石破側なのは分かっていることで、石破票獲得のための自然な表明」
「小泉氏のスタンスがわかってよかった」という皮肉的な評価の言葉も見られた。
全体として、石破路線継承に対する強い反発と、高市早苗氏への期待を示すコメントが多数を占める結果となっている。

