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コメ価格が下がらない理由を解説|増産されても高止まりする構造的要因とは

こんにちは、なおじです。

コメ価格が下がらない理由を、あなたはご存知でしょうか。

2025年産米の収穫量は回復したと報道されています。

にもかかわらず、12月26日に農林水産省が発表したコメの小売価格は5キロあたり4337円で、史上最高値を更新しました。

年初の3000円台半ばから約1300円も上昇し、4000円台が16週連続という異常事態が続いています。

増産されたはずなのに、なぜ価格は下がらないのか。

今日は、元社会科教師として35年間経済分野を教えてきた視点から、コメ価格が下がらない構造的理由と今後の見通しを整理していきます。

米価高騰

この記事でわかること

  • 2025年12月に発表されたコメ価格の最新データと年初からの推移
  • コメ価格が高騰している3つの構造的要因(不作・集荷価格・農政転換)
  • 歴史的視点で見る日本のコメ価格変動(1918年米騒動・江戸時代の米価問題)
  • 2026年の価格動向予測と家計への具体的影響試算
  • 日本経済全体への波及効果と政策的課題

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目次

コメ価格が史上最高値を更新した背景

農林水産省の発表データ

農林水産省が2025年12月26日に発表した調査結果によると、12月15日から21日までの1週間に全国のスーパー約1000店舗で販売されたコメ5キロあたりの平均価格は4337円となりました。

前週より6円高く、2週連続の値上がりです。

11月下旬に記録した4335円を超え、再び過去最高値を更新しています。

この調査は全国の主要スーパーを対象とした信頼性の高いデータであり、日本の小売市場における実態を正確に反映していると考えられます。

年初からの価格推移

年初のコメ価格は3000円台半ばでした。

それが12月末には4337円まで上昇し、わずか1年で約1300円の値上がりです。

上昇率に換算すると約37%に達します。

これは食料品としては異例の高騰ペースと言えるでしょう。

家計への影響は計り知れません。

月に10キロのコメを消費する世帯では、年間約2万円の負担増となる計算です。

4000円台が16週連続という異常事態

米価 右肩上がり

さらに注目すべきは、4000円台が16週連続という状況です。

通常、農産物価格は豊作・不作のサイクルで変動しますが、今回は高値が長期間固定化しています。

これは単なる需給バランスの問題ではなく、構造的な要因が働いていることを示唆しています。

35年間社会科を教えてきた立場から見ると、この構造は戦後の食糧管理制度が崩壊した1990年代以降、最も深刻な米価問題と言えます。

コメ価格高騰の3つの構造的要因

庶民の嘆き 米価 高騰

2024年産米の不作と精米歩留まりの悪化

第一の要因は、2024年産米の不作です。

2023年の猛暑により、コメの品質が著しく低下しました。

精米時の歩留まりは88.6%となり、平年の90%を大きく下回りました。

この歩留まり悪化により、玄米ベースで約6万トンの供給不足が発生したと推計されています。

低価格米や加工原料用米の生産量が激減し、市場全体の供給量を圧迫しました。

2025年産米の集荷価格が過去最高水準

第二の要因は、2025年産米の集荷価格が過去最高水準であることです。

農林水産省の発表によると、2025年9月の相対取引価格は全銘柄平均で玄米60キロあたり36,895円でした。

前年同月比で14,195円高く、上昇率は63%に達します。

つまり、生産者への支払額が極めて高い水準にあるため、小売価格もなかなか下がらない構造になっているのです。

流通業者は高く買い取っているため、簡単には値下げできません。

備蓄米放出と農政転換による市場の混乱

第三の要因は、備蓄米放出と農政転換が相次いだことです。

政府は価格高騰を受けて備蓄米を放出しましたが、放出のタイミングや量が適切だったかについては議論があります。

また、大臣交代もあり、農政の方向性が定まらない時期がありました。

こうした政策の不安定さが、市場の価格調整機能を十分に働かせなかった可能性があります。

👉関連記事:米価格が下がらない理由と家計防衛

歴史的視点で見るコメ価格変動

1918年米騒動との比較

米騒動

歴史を振り返ると、日本では過去にも深刻な米価問題がありました。

最も有名なのが1918年の米騒動です。

第一次世界大戦による好景気でコメの需要が急増し、投機的な買い占めも発生しました。

コメ価格は急騰し、庶民の生活を直撃しました。

富山県の主婦たちが米の安売りを求めて立ち上がったことをきっかけに、全国で暴動が発生したのです。

当時の寺内正毅内閣は責任を取って総辞職に追い込まれたほどです。

今回の価格高騰は統計データがある中では過去最高ですが、社会不安のレベルは1918年とは比較にならないほど低いと言えます。

それは、現代では食料の選択肢が豊富だからです。

江戸時代の米価問題と経済政策

江戸の米価問題

さらに時代を遡ると、江戸時代にも米価問題がありました。

徳川吉宗享保の改革では、米価安の諸色高が問題となりました。コメの価格が下がる一方で、他の物価が上昇し、武士階級の生活が苦しくなったのです。

吉宗は米価を引き上げる政策を取りましたが、これは庶民の負担増につながりました。

経済政策の難しさを示す歴史的事例と言えるでしょう。

👉関連記事:享保の改革と田沼政治とは?徳川吉宗と田沼意次の経済政策

元社会科教師として生徒に教えてきた立場から見ると、米価問題は常に政治と経済の結節点にあり、政策判断の難しさを浮き彫りにします。

今後の見通しと経済への影響

金を食う 米価高騰

2026年の価格動向予測

では、今後コメ価格はどうなるのでしょうか。

市場関係者の見方では、2026年は値下がりする可能性が高いとされています。

その根拠は、2025年産米の収穫量が比較的良好だったことです。

財務省の資料によると、令和8年(2026年)6月末の民間在庫量は198〜229万トンと見込まれ、近年最も高い水準となる見通しです。

在庫が増えれば、価格低下圧力が働きます。

ただし、農林水産省は「年明け以降どのタイミングで手に取りやすい水準に下がるかは見通せない」とコメントしています。

集荷価格が高止まりしているため、急激な価格下落は期待しにくいでしょう。

筆者の見解では、2026年春頃から徐々に価格が下がり始め、夏以降には5キロ3000円台に落ち着く可能性があると考えます。

👉関連記事:石破首相16年越しコメ政策転換!米価3000円台達成の真実と課題

家計への影響試算

家計への影響を具体的に試算してみましょう。

仮に1世帯が月に10キロのコメを消費するとすると、年初の価格(5キロ3500円と仮定)では月7000円、年間8万4000円でした。

現在の価格(5キロ4337円)では月約8700円、年間約10万4000円です。

つまり、年間約2万円の負担増となります。

4人家族の食費が月6万円とすると、約2.8%の上昇に相当します。

物価高が続く中、この負担は決して小さくありません。

家計管理の工夫が求められます。

日本経済全体への波及効果

コメ価格高騰は、日本経済全体にも影響を及ぼします。

まず、外食産業や食品加工業のコスト増につながります。

飲食店のメニュー価格や加工食品の価格に転嫁される可能性があります。

また、消費者の実質所得が減少するため、他の消費支出が抑制される懸念もあります。

これは経済全体の成長率を押し下げる要因となり得ます。

政策的には、農業の生産性向上や流通コストの削減など、構造改革が求められるでしょう。

短期的な価格対策だけでなく、中長期的な視点での取り組みが必要です。

【表:コメ価格高騰の要因と影響の整理】

要因内容影響の大きさ今後の見通し
2024年産米不作2023年猛暑により精米歩留まり88.6%(平年90%)★★★★☆解消済み
2025年産米集荷価格全銘柄平均36,895円/60kg(前年比+63%)★★★★★2026年以降緩和か
農政転換・備蓄米放出市場の価格調整機能が働きにくい状況★★★☆☆政策次第

(出典:農林水産省プレスリリース 2025年10月21日、日本経済新聞報道 2025年7月30日)

Q&Aで振り返るコメ価格問題

Q1:なぜ2025年産米の収穫量が多いのに価格が下がらないのですか?

A1:収穫量は確かに回復しましたが、生産者への支払額(集荷価格)が前年比63%増と過去最高水準のため、小売価格も高止まりしています。

流通業者は高く買い取っているため、簡単には値下げできない構造です。

この数字が示すのは、川上の価格が川下に転嫁されているということです。

Q2:歴史的に見て、今回のコメ価格高騰はどの程度深刻ですか?

A2:統計データがある中では過去最高値です。

ただし1918年の米騒動では社会不安が発生するレベルでしたが、現在は他の食料選択肢が豊富なため、社会的影響は限定的と言えます。

つまり、数字上は深刻ですが、生活への影響は当時とは比較にならないほど小さいでしょう。

Q3:2026年にコメ価格は下がると予想されていますが、いつ頃から下がり始めますか?

A3:市場関係者の見方では2026年中に値下がりする可能性が高いとされていますが、具体的な時期は見通せません。

財務省の試算では令和8年6月末の民間在庫量が198〜229万トンと高水準になる見込みで、春以降に価格低下圧力が働く可能性があります。

ただし、集荷価格の動向次第で時期は大きく変わるでしょう。

筆者紹介|なおじ

元社会科教師として35年間、小学校と中学校で教壇に立ってきました。

経済分野を教える中で、データの裏にある構造を読み解くことの大切さを学びました。

現在は7つのブログでドラマ芸能政治歴史スポーツ学びについて執筆しています。

政治・経済記事では、官公庁の統計データを丁寧に読み解き、歴史的文脈と合わせて解説するスタイルを大切にしています。

ここがなおじの強みです。

数字だけでなく、その背景にある人々の暮らしや社会の動きを伝えることを心がけています。

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