
埼玉県教委、わいせつ処分歴確認を8907人分怠る
埼玉県教育委員会が臨時教員らの採用時に、法律で義務付けられたわいせつ処分歴の確認を怠っていた問題が発覚しました。
確認漏れは約6割にあたる8907人に上り、県教委は「認識が甘かった」と謝罪しています。
教員によるわいせつ事件が社会問題となる中、再発防止策の徹底が問われる事態となっています。
発生日時・場所
項目 | 詳細内容 |
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発生日 | 2025年8月12日 |
発表場所 | 埼玉県庁 |
対象期間 | 2023年4月~2025年7月17日 |
関係機関 | 埼玉県教育委員会 県内4カ所の教育事務所 |
問題の性質 | わいせつ処分歴確認の怠慢 |
影響範囲 | 臨時教員ら8,907人 |
補足情報
項目 | 内容 |
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総採用者数 | 13,861人 |
確認漏れ割合 | 約6割 |
確認済み結果 | 処分歴者なし(全員確認済み) |
法的根拠 | 2023年度より法律で義務化 |
事件の経緯
埼玉県教委は2025年8月12日、記者会見を開き、臨時教員らの採用時に国のデータベース確認を怠っていたと発表しました。
わいせつ行為で処分歴のある教員情報を蓄積した国のデータベース確認は、2023年度に法律で義務付けられていました。
しかし、県教委は2023年4月から2025年7月17日までに採用した臨時教員、非常勤講師、実習助手、寄宿舎指導員ら計13,861人のうち、約6割にあたる8907人について確認を実施していませんでした。
県教委では、検索ツールで確認は行っていたものの、データベースでの確認は実施していなかったということです。
関係者の証言やコメント
県教委小中学校人事課の新保友・学校管理幹は記者会見で、
**「データベースでの確認が義務であるという認識が甘かった」**と謝罪しました。
また、今後は法律に基づく採用手続きを徹底するとの方針を示しています。
県教委は8907人について改めて確認を実施した結果、全員に処分歴はなかったと発表しています。
捜査の進展状況
現時点で刑事事件としての捜査は行われていませんが、
文部科学省は今月、全国の教育委員会や学校法人などを対象にデータベース活用の実態調査を開始しました。
この問題は埼玉県だけでなく、名古屋市や北海道などの教育委員会でもデータベース未確認が判明しており、
全国的な問題として調査が進められています。
今後の見通し
県教委は今後、法律に基づく採用手続きの徹底を約束していますが、
同様の問題が他の自治体でも発覚していることから、文科省による全国調査の結果が注目されます。
なお、正規採用した教員については全員をデータベースで確認したとのことで、
問題は臨時教員らの採用手続きに限定されています。
背景にある社会問題
教員によるわいせつ事件は深刻な社会問題となっています。
2018年度には児童・生徒へのわいせつ行為で処分を受けた公立学校教員が282人と過去最多を記録し、
専門家によると教員のわいせつ行為の発生率は一般よりも高い傾向にあることが指摘されています。
こうした状況を受けて、2021年には「教員による性暴力防止法」が成立し、
わいせつ行為で懲戒免職となった教員の再任用を防ぐ仕組みが強化されました。
2023年度からは採用時のデータベース確認が法的に義務付けられましたが、今回の事案はこの重要な防止策が適切に実施されていなかったことを示しています。
学校は子どもたちにとって安全な環境でなければならず、教員の資質確保は教育現場における最重要課題の一つです。
回の問題を機に、全国の教育委員会において採用手続きの徹底的な見直しが求められています。
注意書き: この記事は読売新聞、産経新聞をはじめとする報道機関の公式発表に基づいて作成しました。
未確認の情報や憶測は含んでおりません。
事実関係については各報道機関の記事および埼玉県教育委員会の公式発表を参照しました。