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迷惑「撮り鉄」問題が深刻化、ひまわり畑で罵声・民家敷地侵入で鉄道会社が情報公開中止

黄色いひまわり畑で響いた怒号、無断で切り落とされた庭木、そして突然の運行情報非公開——。

2025年8月から9月にかけて、鉄道写真愛好家「撮り鉄」による一連のマナー違反が各地で発生し、地域住民や鉄道事業者を困惑させている。

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ひまわり畑での威圧行為が発端

問題が表面化したのは8月某日、岐阜県大垣市平町のひまわり畑でのことだった。

東海道新幹線沿線に位置する約3ヘクタールの畑では、14万本のひまわりと「幸せを呼ぶ」黄色い新幹線ドクターイエローの共演を撮影しようと、多くの撮り鉄が詰めかけた。

ところが、撮影の妨げになるとして、一部の撮り鉄が見物客に「下がってください」「そこの人邪魔」と罵声を浴びせる事態が発生。

大垣ひまわり畑実行委員会は8月8日、公式サイトで「今後はこの様な怒号等が飛び交うならば、ひまわり畑の三脚・脚立・踏み台等の持ち込み自体を禁止することを検討します」と異例の注意喚起を発表した。

鉄道会社が運行情報公開を中止

さらに深刻な問題が長野県で発生した。

8月上旬、しなの鉄道沿線で撮り鉄が115系車両を撮影しようと民家の敷地に無断侵入し、庭先の木を切断する事件が起きた。

この事態を受け、しなの鉄道は9月1日、115系車両の運行予定表の公表終了を発表した。

同社は10年以上にわたり、ファンサービスとして毎月の運行情報を公式サイトで公開してきたが、「社内で協議し、残念ながら運行予定表の公表を終えることにしました」とコメントした。

「紳士淑女の趣味」からの逸脱

関東地方のあるローカル線関係者は「マナーを守らない撮り鉄はお客様ではありません」と憤りを隠さない。

線路内に入った撮り鉄に注意すると「あんたは警察か」と逆ギレされたという。

全国の鉄道を取材するフォトライター矢野直美氏は、「撮影以外のことがないがしろにされていると感じます」と指摘。

本来の鉄道写真は「紳士淑女の趣味」であり、「鉄道があるから写真を撮れるのであって、写真を撮るために鉄道は存在するわけではありません」と警鐘を鳴らす。

規制強化で撮影環境悪化の懸念

迷惑行為をする撮り鉄は一部に過ぎないが、その影響は甚大だ。

矢野氏は「迷惑行為が増えると規制は厳しくなり、撮影環境はますます悪化します」と予測する。

鉄道を愛する者としての気品と相互の敬意を持ち、ルールやマナーを守った撮影が求められている。

この呼びかけが、鉄道を愛する全ての人に届くことが期待される。

この記事は、2025年9月6日のAERA DIGITAL報道をはじめとする公開情報をもとに、事実確認を行った上で執筆しています。最新の動向については、各鉄道会社の公式情報での確認をお勧めします。

ヤフーコメントに見る世論の反応

撮り鉄の迷惑行為を報じたヤフーニュース記事には、批判と厳罰を求める声が圧倒的に集まった。

「他人の家庭の庭に無断で侵入し無許可で庭木を切断することは犯罪行為です。警察に届けて刑事事件にし、無法行為を行ったものに責任を取らせるべきだ」(共感7,352件)、

「民家の庭木を切られたのなら、彼等の大事にしている三脚の脚を壊してやればいい」(共感5,606件)

といった強い怒りが目立つ。

一方で、撮り鉄のマナー向上を当事者が促すべきだとの指摘も多い。

「撮り鉄同士が迷惑行為や違法行為を止めさせる努力をするべき。それをしないなら容認していると思われても仕方ない」など、自浄作用の欠如を問題視する意見が続いた。

疑問や懸念の声としては、「マナー違反ではなく明確な犯罪。徹底して取り締まらないと駄目ではないか」と法的対応の甘さを指摘する声や、「注意を聞いてほしい人ほど注意を聞かない」と効果的な抑止策の難しさを嘆く投稿が散見された。

少数派ではあるが評価的な意見も存在する。
「撮影位置を工夫して観客をあえて構図に入れることで景色がわかりやすくなる」と、住民との共存を模索する姿勢を示すコメントもあった。

全体として、コメント欄は「マナーの問題を超えて犯罪行為」と断じ、厳罰化や規制強化を求める論調が優勢。

撮り鉄界隈への不信感が高まる一方、内部からの自浄や撮影スタイルの多様化を提案する声は少数に留まっている。

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