MENU

米国核戦略 トランプ政権の転換|2026年最新分析と日本への影響を元教師が解説

こんにちは、なおじです。

米国核戦略はトランプ政権で大きな転換期を迎えています。

トランプ大統領が2025年1月に再就任してから1年。

2025年12月に公表された新しい国家安全保障戦略は「力による平和」を掲げました。

2026年1月には米ロ核軍縮合意の失効容認を示唆しています。冷戦終結以来の核軍縮枠組みが崩壊する可能性が高まっているのです。

一方、C国の核弾頭は2025年に600発に到達しました。2030年には1000発を超える見通しです。

米中の核バランスは急速に変化しており、日本の安全保障環境も大きく変わりつつあります。

米国 核戦略

この記事でわかること

  • トランプ政権による米国核戦略転換の内容
  • C国の核弾頭急増の実態と2030年予測
  • 新START失効が意味する核軍縮枠組みの崩壊
  • トランプ政権の実力行使(イラン攻撃)と抑止力強化
  • 2022年産経新聞論争を現在から振り返る視点
  • 日本が取るべき核戦略への対応と選択肢
目次

米国核戦略の転換点|バイデンからトランプへ

2022年NPRが示した同盟重視の核戦略

バイデン政権は2022年10月、核態勢見直し(NPR)を公表しました。

この文書の特徴は、同盟国との協調を重視した点にあります。

「統合抑止戦略」という言葉が象徴するように、米国単独ではなく日本や欧州諸国との連携でC国の軍事的台頭に対抗する方針を打ち出しました。

核先制不使用宣言は同盟国の反対で断念されたものの、基本的には慎重な核政策を維持していたのです。

35年間社会科を教えてきた立場から見ると、バイデン政権の核政策は「冷戦後の安定志向」の延長線上にありました。核軍縮の枠組みを維持しながら、同盟国に「安心」を提供する政策だったと言えます。

2025年トランプ政権NSSの「力による平和」

2025年12月、トランプ政権は新たな国家安全保障戦略を公表しました。

ここで打ち出されたのは「力による平和」という理念です。

「台湾占領阻止へ能力強化」を明記し、C国への対決姿勢を鮮明にしました。日本には防衛費増額を要求し、同盟国にもより大きな負担を求める姿勢を示しています。

バイデン政権との最大の違いは「実力行使の意思」です。

2025年6月、トランプ政権はイラン核施設3か所を実際に攻撃しました。核拡散阻止に本気であることを行動で示したのです。

この攻撃は国際社会に衝撃を与えましたが、トランプ政権の核戦略が「抑止」から「実行」へシフトしたことを象徴する出来事でした。

C国の核戦力急拡大という現実

忍び寄る脅威

核弾頭600発到達と2030年1000発予測

C国の核戦力が急速に拡大しています。

米国防総省の報告書によれば、2025年時点でC国の核弾頭数は600発に達しました。

2020年には約200発だったことを考えると、わずか5年で3倍に増えた計算です。

さらに2030年には1000発を超え、2035年には1500発に達すると予測されています。

この数字が何を意味するか。C国が「相互確証破壊(MAD)」の論理を成立させる能力を獲得しつつあるということです。

つまり、米国がC国を核攻撃すれば、C国も米本土を壊滅させる報復能力を持つ状況に近づいているのです。

米中核バランスの変化が意味すること

米国の核弾頭は約3700発(2025年時点)です。

数だけ見れば米国が圧倒的に優位ですが、問題は「使える核」の数です。

台湾有事のような地域紛争で、米国は本当に核を使えるでしょうか。C国が1000発の核を持てば、米国が核を使えば自国も壊滅するリスクを背負うことになります。

教師時代、生徒によく言っていました。「核兵器は数だけでなく、使える状況を作れるかどうかが問題だ」と。

C国の核増強は、米国の核戦略の自由度を確実に奪っています。日本にとっては、米国の「核の傘」の信頼性が問われる状況になっているのです。

【表:C国の核弾頭数推移と予測】

核弾頭数前年比増加備考
2020年約200発米国防総省推計
2023年500発超+300発急速な増強開始
2025年600発+100発最新推計値
2030年(予測)1000発超+400発米国防総省予測
2035年(予測)1500発+500発米国防総省予測

(出典:米国防総省C国軍事力報告書2025年12月)

新START失効と核軍縮枠組みの崩壊

平和 脅威

2026年2月失効容認の衝撃

2026年1月、トランプ大統領は新START失効容認を示唆しました。

新STARTは米ロ間の核弾頭数を制限する最後の軍縮条約です。

2026年2月5日に失効予定でしたが、バイデン政権時代は延長で合意していました。ところがトランプ政権は「C国を含まない条約は時代遅れだ」として、失効を容認する姿勢を示したのです。

この判断は冷戦終結以来30年以上続いた核軍縮の枠組みを終わらせる可能性があります。

米ロ間の核弾頭数や戦略兵器の相互査察がなくなれば、核軍拡競争の歯止めが失われるからです。

C国を含む3か国協定構想の実現性

自衛隊

トランプ政権は新たな提案をしています。

米中ロの3か国を含む核軍縮協定を締結しようというものです。

理屈としては正しいでしょう。C国の核戦力が急増している以上、米ロだけで軍縮を議論しても意味がないからです。

しかし、実現性は極めて低いと言わざるを得ません。

C国は一貫して「米ロと同じレベルの軍縮義務を負う必要はない」と主張しています。

核弾頭数が米ロの5分の1以下である現状では、C国が交渉に応じる可能性は低いでしょう。結果として、核軍縮の枠組み自体が消滅するリスクが高まっているのです。

この事実・現状を、地上波テレビは明確に伝えているでしょうか。

👉関連記事:高市早苗首相とトランプ大統領の初会談を徹底解説!日米新黄金時代の幕開けと合意

トランプ政権の核戦略|実力行使と抑止力強化

光と影 核戦略

イラン核施設攻撃が示した核拡散阻止の本気度

2025年6月21日、トランプ政権はイラン核施設を攻撃しました。

攻撃対象は3か所の核関連施設です。米軍は巡航ミサイルと爆撃機を投入し、イランの核開発能力に打撃を与えました。

国際社会は強く批判しましたが、トランプ大統領は「イランが核兵器を持てば中東は破滅する」と正当化しています。

この攻撃が示したのは、トランプ政権が「核拡散阻止」に本気だということです。

バイデン政権なら外交交渉を優先したでしょう。しかしトランプ政権は実力行使を選びました。この姿勢は、C国や北朝鮮に対しても「レッドラインを越えれば実力行使する」というメッセージになっています。

2027年度国防予算1.5兆ドル要求の意味

トランプ政権は2027年度国防予算として1.5兆ドルを要求しました。

これは約225兆円に相当する巨額です。

2022年のバイデン政権時代は約8000億ドルでしたから、ほぼ倍増させる計画です。この予算増額は、核戦力の近代化と通常戦力の増強を同時に進める狙いがあります。

1980年代、米ソが軍拡競争を展開した時期を思い出します。

レーガン政権は国防費を大幅に増額し、最終的にソ連を経済的に追い詰めました。

トランプ政権も同じ戦略でC国を牽制しようとしているのでしょう。ただし、当時のソ連と現在のC国国では経済規模が全く違います。この戦略が成功するかどうかは予断を許しません。

【表:米国核戦略の変遷(2022年→2026年)】

項目2022年バイデン政権2025-2026年トランプ政権
基本文書NPR・NDS(2022年10月)NSS(2025年12月)
基本方針同盟重視・統合抑止力による平和・実力行使
対中姿勢戦略的競争相手台湾占領阻止を明記
核軍縮新START維持新START失効容認
国防予算約8000億ドル(2022年)1.5兆ドル要求(2027年度)
実力行使慎重イラン核施設攻撃実施(2025年6月)

(出典:米国防省・国務省公式発表、日本経済新聞2026年1月報道)

2022年産経新聞論争を2026年から振り返る

海上自衛隊

櫻井よしこ氏とCSISの楽観シナリオ

2022年11月7日、櫻井よしこ氏は産経新聞に論考を発表しました。

根拠としたのは米シンクタンクCSISの台湾有事シミュレーションです。このシミュレーションでは24回の想定を行い、22回で米国側が勝利するという結果が示されていました。

櫻井氏は「戦えば高い確率で米国側が勝利する(2022年時点)」と分析し、ただし油断は禁物だと警告していたのです。

2026年の現在から振り返ると、このシミュレーションは2026年時点での軍事衝突を想定していました。

実際、CSISは「2027年までなら米国が優位を保てる」という前提で分析していたのです。つまり櫻井氏の論考は「今なら勝てるが、時間は限られている」というメッセージだったと理解できます。

黒瀬悦成氏とヘリテージ財団の警告

翌11月8日、黒瀬悦成氏(産経新聞副編集長)は別の視点を提示しました。

根拠としたのは米政策研究機関ヘリテージ財団の「米軍事力指数」2023年版です。

この報告書は米軍の実力評価を「限界状態」から「弱い」に格下げしました。

過去9年間で最低の評価です。黒瀬氏は「米軍が単一の大規模地域紛争にすら対応できない恐れがある」と警告し、軍備増強の必要性を訴えたのです。

この論考の焦点は「将来リスク」にありました。ヘリテージ財団は「このままでは米軍が弱体化し、C国軍に撃退される可能性がある」と指摘していたのです。

つまり黒瀬氏の主張は「今備えなければ将来危険だ」というメッセージだったわけです。

両論考の本質は同じ「備えの必要性」

2026年から見ると、両氏の論考は矛盾していません。

櫻井氏は「現時点では勝てる確率が高い」と分析し、黒瀬氏は「将来的には対応困難になる」と警告しました。時間軸と評価基準が異なるだけで、「今備えなければ危険」という結論は共通していました。

実際、C国の核戦力は予測通り急増しました。

2025年に600発、2030年には1000発を超える見通しです。ヘリテージ財団の警告は的中しつつあると言えるでしょう。一方、CSISのシミュレーションが想定した「2026年」は今年です。米中の軍事バランスはまさに分岐点にあるのです。

👉関連記事:存立危機事態とは?高市首相の台湾有事発言をわかりやすく元教師が解説

日本が直面する核戦略の現実と選択肢

女性首相

米国核の傘への依存継続のリスク

日本は戦後一貫して米国の「核の傘」に依存してきました。

しかし2026年現在、この戦略には大きなリスクが伴います。C国の核戦力が1000発を超えれば、米国が台湾有事で核のエスカレーションを躊躇する可能性が高まるからです。

「日本を守るために米国は本当に核を使うのか」という疑問が現実味を帯びてきているのです。

トランプ政権は日本に防衛費増額を要求しています。これは「米国だけに頼るな」というメッセージでもあります。日本は米国の核の傘を前提としつつも、自助努力を強化する必要に迫られているのです。

防衛力整備と核軍縮外交の両立

日本が取るべき道は2つあります。

第一に、防衛力整備の強化です。

反撃能力の保有、ミサイル防衛の充実、サイバー防衛の強化など、自力で国を守る能力を高める必要があります。2022年の国家安全保障戦略で「反撃能力」が明記されたのは、この方向性を示しています。

第二に、核軍縮外交の主導です。

新STARTが失効し、核軍縮の枠組みが崩壊すれば、世界は核軍拡競争の時代に逆戻りします。日本は唯一の被爆国として、米中ロを新たな軍縮枠組みに引き込む外交努力を主導すべきです。

「米国頼み」だけでも「自力防衛」だけでも不十分です。両方を同時に追求する複眼的な戦略が、2026年の日本には求められているのです。

👉関連記事:高市早苗トランプ推薦の真実|野党批判が的外れな3つの理由

Q&Aで振り返る米国核戦略 トランプ政権2026年最新分析

Q1:トランプ政権の核戦略はバイデン政権と何が違うのか?

最大の違いは「実力行使の意思」です。

バイデン政権が同盟国との協調を重視し慎重な姿勢を取ったのに対し、トランプ政権は2025年6月にイラン核施設を実際に攻撃しました。

核拡散阻止に本気であることを示したのです。また新STARTの失効を容認し、C国を含む新たな核軍縮枠組みを主張しています。

Q2:C国の核弾頭が2030年に1000発になると何が変わるのか?

米国の核弾頭は約3700発ですが、C国が1000発を超えると「相互確証破壊(MAD)」の論理が成立しやすくなります。

つまりC国が米本土への報復能力を確保し、米国が台湾有事で核のエスカレーションを躊躇する可能性が高まるのです。日本にとっては米国の核戦略における「核の傘」の信頼性が問われる状況になります。

Q3:新STARTが失効すると何が起こるのか?

米ロ間の核弾頭数や戦略兵器の相互査察がなくなり、核軍拡競争の歯止めが失われます。

冷戦終結以来30年以上続いた核軍縮の枠組みが崩壊し、米中ロの3大核大国が制約なく核戦力を増強できる状況になります。これは世界的な核拡散リスクの増大を意味するのです。

Q4:2022年の櫻井・黒瀬両氏の論争は2026年現在どう評価できるか?

どちらも部分的に正しかったと言えます。

櫻井氏が引用したCSISの「米国が勝つ」シナリオは2026年時点の軍事衝突を想定しており、黒瀬氏が引用したヘリテージ財団の「米軍弱体化」警告は将来リスクを指摘していました。

実際、C国の核戦力急増により、2030年以降の米中バランスは予断を許さない状況です。両氏の共通メッセージ「今備えなければ危険」は正しかったのです。

Q5:日本は何をすべきか?

米国の核の傘への依存を続けつつ、自助努力として防衛力整備を進める必要があります。

反撃能力の保有、ミサイル防衛の充実が重要です。同時に、核軍縮外交を主導し、米中ロを新たな軍縮枠組みに引き込む努力も求められます。「米国頼み」だけでも「自力防衛」だけでも不十分で、両立が必要なのです。

筆者紹介|なおじ

元社会科教師として35年間教壇に立ってきました。

現在8つのブログでドラマ芸能政治歴史スポーツ学び書評を執筆しています。

政治・歴史記事では「データの裏にある構造」や「歴史的文脈」を丁寧に解説するスタイルを心がけています。教師時代に培った「複雑な問題をわかりやすく伝える力」を活かし、読者の皆さんに「なるほど」と思っていただける記事を目指しています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次