こんにちは、なおじです。
2026年1月14日、東京株式市場が史上初の5万4千円台を記録しました。
ニュースでは「高市トレード」という新しい経済用語が飛び交っています。高市早苗首相の積極財政政策に期待した投資家の動きを指す言葉ですが、一体どういう意味なのでしょうか。
この記事では、高市トレードの意味、株価上昇の背景、今後の見通しまで、元社会科教師の視点で解説します。

この記事でわかること
- 高市トレードとは何か|言葉の意味と由来
- 高市首相の積極財政政策の具体的内容
- 株価が5万4千円台まで上昇した理由
- 過去の政策転換時との比較
- 今後の見通しと個人投資家への注意点
高市トレードとは何か|新しい経済用語の意味

「高市トレード」という言葉の由来
高市トレードとは、高市早苗首相の経済政策に期待して株式を買う投資家の動きを指す言葉です。
2026年1月14日、日経平均株価が史上初の5万4341円23銭で取引を終えたことで、メディアがこの言葉を広く使い始めました。ロイターなどの経済メディアが「高市トレード」という表現で市場の動きを報じています。
「○○トレード」という表現は、特定の政治家や政策に対する市場の反応を示す造語として使われることがあります。過去には「アベノミクス相場」という言葉もありました。
なぜ今「高市トレード」なのか
高市首相が掲げる積極財政は、長年続いた緊縮財政からの転換を意味します。
2025年11月に閣議決定した経済対策は17.7兆円規模に達し、インフラ整備や防衛費増強に予算を投じる方針を打ち出しました。この方針転換により、企業の業績改善や経済成長が期待されるため、投資家が株式市場で積極的に買いに動いているのです。
さらに、早期の衆議院解散観測も株価を押し上げる要因となっています。政権基盤が安定すれば、政策の継続性が高まるという期待が市場に広がっているわけです。
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高市首相の積極財政政策の中身

積極財政と緊縮財政の違い
積極財政とは、政府が支出を増やして経済を活性化させる政策です。一方、緊縮財政は支出を抑えて財政健全化を優先する政策を指します。
35年間社会科を教えてきた立場から見ると、この政策転換は大きな意味を持ちます。日本は長く緊縮財政の路線を歩んできましたが、高市首相は「経済を回して税率を上げずに税収を増やす」という方針を明確にしました。
これは1930年代の経済学者ケインズが提唱した「不況時には政府が積極的に支出すべき」という考え方に近いものです。
具体的な政策内容と規模
高市首相の積極財政には、以下のような具体策が含まれています。
2025年度補正予算では、事業規模17.7兆円の経済対策を閣議決定しました。主な内容は次の通りです。
- 地方のインフラ整備(道路・橋・トンネルの老朽化対策)
- デジタル化推進のための投資
- 防災・減災対策の強化
- 防衛費の増強
政府が大規模な予算を投じることで、建設業や製造業など幅広い産業に恩恵が及ぶと期待されています。この構造が、株式市場での「高市トレード」を加速させる要因となっているわけです。
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なぜ株価が5万4千円台まで上昇したのか

投資家が期待する理由
株価が上昇した背景には、投資家の期待心理があります。
積極財政により企業の売上や利益が増えると予想されるため、株式を買う動きが加速しました。特に、建設・土木関連企業や、インフラ整備に携わる企業の株価が大きく上昇しています。
ロイターの報道によれば、2026年1月14日の市場では「高市トレード」が海外投資家主導で進行しました。大型株を中心に買いが入り、日経平均を押し上げる構図です。
政府が大規模な予算を投じることで、これらの企業に仕事が回ってくると見込まれているからです。
過去の政策転換時との比較
過去にも、政策転換が株価を押し上げた例があります。
2012年末の安倍政権発足時には、「アベノミクス」への期待から株価が大幅に上昇しました。当時は金融緩和が中心でしたが、今回の高市トレードは財政政策に重点を置いている点が異なります。
歴史的に見ると、徳川吉宗の享保の改革や田沼意次の政策も、財政方針の転換が経済に大きな影響を与えた事例です。政策の方向性が変わるとき、市場は敏感に反応するという構造は、江戸時代から変わっていないと言えるでしょう。
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高市トレードの今後の見通しと注意点

専門家の見解|肯定派と慎重派
専門家の間では、高市トレードに対する見方が分かれています。
肯定的な意見としては、「積極財政は長期的な経済成長につながる」「デフレ脱却のチャンス」といった声があります。大和総研などのシンクタンクは、政策の持続性に期待を示しています。
一方、慎重な意見もあります。
1つ目は「物価が上がりすぎないか」という心配です。ただし現在の日本は、むしろ物価が上がらなさすぎて困っている状態です。適度な物価上昇(年2%程度)は、給料も上がり、経済が健全に回る目安とされています。
問題なのは、「給料が物価に対して上がっていない」という感覚を多くの人が持っている点です。この問題の解決については、高市政権に大いに期待します。
「国の借金」への誤解を解く
2つ目の慎重意見は「国の借金が増えて大丈夫か」という心配です。
これについては理解しておくべき点があります。日本の国債は約9割を日本人が持っており、円建てです。つまり「家族内の貸し借り」に近い状態です。お父さんがお母さんから借りても、家族全体のお金は減りません。
35年間教えてきた経験から言えば、問題は借金の額ではなく、「お金を使って経済を回せるか」です。政府がお金を使えば、それは企業や家計に回ります。経済が回れば税収も増えます。むしろ日本の問題は、お金を使わずに景気が悪いまま放置してきたことでした。
「借金を次世代に回すな」という意見もあります。しかし、政府が使ったお金は道路、橋、学校、防災設備といった形で次世代に残ります。また、経済が成長すれば、次世代の税収も増えます。むしろ問題は、必要な投資をせずに経済を停滞させることではないでしょうか。
個人投資家が注意すべきこと

元教師として生徒たちに伝えてきたように、情報を鵜呑みにせず、複数の視点から物事を見る姿勢が重要です。
「高市トレード」という言葉に踊らされて、焦って株を買うのは危険です。政策が実際に成果を出すには時間がかかりますし、予想外の事態も起こり得ます。
個人投資家に伝えたいのは、次の3点です。
- 短期的な流行に惑わされず、冷静に判断すること
- 政策の中身を理解し、実現可能性を見極めること
- 投資はあくまで自己責任で、余裕資金の範囲内で行うこと
データや専門家の意見を参考にしつつ、最終的には自分で判断する力を養うことが大切です。
【表:高市トレードをめぐる3つの論点】
| 論点 | 内容 | 肯定的見解 | 懐疑的見解 |
|---|---|---|---|
| 積極財政の効果 | 17.7兆円の経済対策 | 経済成長につながる | 財政悪化が進む |
| 株価上昇の持続性 | 5万4千円台達成 | 企業業績改善が期待される | 短期的な過熱感がある |
| 政策の副作用 | 金利上昇・円安の可能性 | 輸出企業に追い風 | インフレリスクが高まる |
(出典:ロイター、首相官邸公式資料 2026年1月時点)
Q&Aで振り返る高市トレード
Q1:高市トレードって投資用語ですか?
厳密には投資用語ではなく、メディアが作った造語です。高市首相の経済政策に期待した株式市場の動きを、わかりやすく表現したものです。正式な経済用語として定義されているわけではありません。
Q2:積極財政って具体的に何をするんですか?
政府が支出を増やして経済を刺激する政策です。2025年度補正予算では17.7兆円を計上し、インフラ整備、防衛費増強、防災対策などに投じます。これにより、企業や家計にお金が回り、経済全体が活性化することを目指しています。
Q3:株をやっていない人にも関係ありますか?
はい、間接的に関係があります。株価上昇は企業の業績改善や雇用増加につながる可能性があります。また、積極財政により公共事業が増えれば、地方経済の活性化も期待できます。ただし、財政悪化やインフレなどのリスクも理解しておく必要があります。
Q4:今後も株価は上がり続けますか?
予測は困難です。政策が実際に成果を出すには時間がかかりますし、国際情勢や金利動向など、様々な要因が影響します。短期的な過熱感を指摘する専門家もいるため、冷静な判断が必要です。
Q5:高市トレードはいつまで続きますか?
明確な期限はありません。高市政権の政策が継続される限り、市場の期待感は続く可能性があります。ただし、早期解散総選挙の結果や、政策の実効性次第で状況は変わり得ます。長期的な視点で見守ることが大切です。
【筆者紹介|なおじ】
元社会科教師として35年間教壇に立ち、政治・経済・歴史を中学生にわかりやすく教えてきました。
現在は8つのブログでドラマ・政治・歴史・スポーツ・旅・学び・書評を執筆しています。
政治・経済記事では、データの裏にある構造や歴史的文脈を丁寧に解説するスタイルを大切にしています。キャンピングカーで旅をしながら、社会の動きを穏やかな視点で語り続けています。