
こんにちは、なおじです。
2026年2月19〜20日、自民党の小林鷹之政調会長が、消費税ゼロを議論する「国民会議」 への参加を複数の野党に打診しました。
国民民主党は回答を保留し、チームみらいは前向きな姿勢を示しました。
一方、参政党の神谷代表は、自民党側から「給付付き税額控除に賛成しなければ入れない」と参加を断られたことを明かしました。
共産党への呼びかけはそもそもなかったとされています。
「超党派で議論」と言いながら、参加できる党とそうでない党に分かれた形です。
元社会科教師として35年、税制の変遷を授業で教えてきたなおじには、この国民会議の設計に自民らしい政治的な判断が感じられます。
この記事でわかること
- 「国民会議」とは何か、なぜ今設置されるのか
- 各党の反応と立場(参加・保留・条件なし参加・呼びかけなし)の一覧
- 消費税ゼロの財源問題と高市政権の本音
- 過去の消費税議論との比較(歴史的文脈)
- 元教師が見る「国民会議」という手法の構造
国民会議とは何か、なぜ今なのか
高市首相が設置を表明した経緯
2026年2月9日、第2次高市内閣の発足直後、高市首相は食料品の消費税ゼロについて「超党派で行う国民会議を早期に設置し、夏前に中間取りまとめを行いたい」と明言しました。
自民党は衆院選公約で「飲食料品の消費税2年間ゼロの検討を加速」と掲げていました。
選挙で316議席という圧倒的多数を獲得した今、なぜわざわざ「超党派会議」を設けるのでしょうか。
小林政調会長が動いた背景
自民の税制政策をリードする小林鷹之政調会長が、今回の打診役として前面に出ています。
👉関連記事:小林鷹之の税制政策・その分析
自民党内には消費税減税に慎重な議員も多く、小林氏自身も「財源の確保と社会保障とのバランス」を繰り返し強調しています。
「国民会議」という形にすることで、党内の減税派・慎重派の双方が納得できる落としどころを作ろうとしているように感じられます。
単独でできるのに「超党派」を選んだ理由
衆院で3分の2超を持つ自民党は、理論上は単独で消費税法改正を進められます。
👉関連記事:衆院解散2026・高市の決断
それでも「国民会議」を経る理由を、田村憲久政調会長代行は「総理が言ったことなので実現に向けて動く。国民会議を経て6月中に結論を得る」と説明しています。
社会科の授業でいえば、「多数決で決められるけれどあえて委員会を作る」というやつです。
議論を丁寧に積み上げる姿勢と見ることもできますし、意思決定のプロセスを可視化する手法とも言えます。
各党の反応と立場
与党(国民会議の主催・推進側)
| 党名 | 立場 | 備考 |
|---|---|---|
| 自民党 | 主催・運営 | 小林政調会長が各党に打診 |
| 日本維新の会 | 連立与党・推進側 | 連立合意書に消費税ゼロを明記。吉村代表が2/18に首相と方針確認 |
参加に前向きな野党
| 党名 | 反応 | 主な理由 |
|---|---|---|
| チームみらい | 前向き | 安野党首「可能性があればぜひ出たい」 |
保留・条件付きの野党
| 党名 | 反応 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 国民民主党 | 保留 | 玉木代表「自民がまず党内案を示すべき」 |
| 中道改革連合 | 保留 | 岡本政調会長「幅広い参加と設置理由の説明を求める」 |
呼びかけがなかった党
| 党名 | 状況 | 各党の見方 |
|---|---|---|
| 参政党 | 呼びかけなし | 神谷代表「自民側から『入れる気はない』と返答された」 |
| 共産党 | 呼びかけなし | 田智子委員長「国会で議論すべき」 |
参加条件を巡り各党の見方が分かれる理由
高市首相は「給付付き税額控除の実現に賛同する野党を国民会議に招く」という参加条件を明示しています。
消費税の完全廃止を主張する参政党・共産党はこの条件に合致しなかったという整理です。
政府側には「議論の前提として賛同を求めるのは当然」という立場があります。
一方、共産党は「最初から排除して何を議論するつもりか」と反発しており、「超党派」という言葉の解釈をめぐって見方が分かれている状況です。
どちらの立場が正しいかは、「国民会議の目的をどう定義するか」によって変わってくると言えます。
消費税ゼロの財源問題と高市政権の本音
失われる税収は5兆円、物価との関係は
食料品の消費税をゼロにすると、年間約5兆円の税収が失われると試算されています。
2026年も食料品の値上げは続いており、家計への影響は深刻です。
👉関連記事:2026年値上げの実態と対策
片山さつき財務大臣は「税外収入等によって2年分の財源を確保したうえで、できるだけ早く実現できるように知恵を絞る」と述べましたが、現時点では具体策は示されていません。
「つなぎ措置」という高市政権の設計図
高市政権における消費税ゼロの位置づけは、「給付付き税額控除」導入までのつなぎ措置です。
給付付き税額控除とは、税負担を軽減しながら低所得者には現金給付も行う制度で、より恒久的な対策として想定されています。
👉関連記事:高市経済政策の全体像
玉木国民民主代表は「本丸が給付付き税額控除なら、そちらの議論を先にやるべき」と指摘しており、国民会議での議論の順番そのものが一つの焦点になっています。
消費税5兆円の穴をどう埋めるか。夏の取りまとめに向けて、具体策が示されるかどうかをなおじも注視しています。
元教師が見る「消費税の歴史」と今回の意味
消費税導入・増税の歴史
| 時期 | 動き | 首相 |
|---|---|---|
| 1989年4月 | 消費税3%で導入 | 竹下登 |
| 1997年4月 | 5%へ引き上げ | 橋本龍太郎 |
| 2014年4月 | 8%へ引き上げ | 安倍晋三 |
| 2019年10月 | 10%へ(軽減税率8%導入) | 安倍晋三 |
| 2026年(検討中) | 食料品ゼロを議論 | 高市早苗 |
消費税は導入から37年間、一度も引き下げられたことがありません。
今回の「食料品ゼロ」が実現すれば、日本の消費税史上初の減税となります。
「国民会議」という手法の伝統と意味
日本の政治は重要な局面で「会議・審議会」を経ることで、議論の経緯を丁寧に積み上げてきた歴史があります。
消費税の歴史でも、「社会保障と税の一体改革」では3党合意という形を作り、自民・民主・公明が議論の土台を共有しました。
今回の「国民会議」も、賛同する野党と議論を積み上げながら政策を実現しようとする姿勢として受け取ることができます。
35年間、社会科の授業で「日本の財政と税」を教えてきたなおじには、この手法は日本政治の一つの伝統として映ります。
新しい試みなのか、それとも定番の手法なのか——読者のみなさんはどう感じますか。
なおじの一句
値札見て また戻す手の 大根かな
今後の展開と読者の疑問にお答えします
Q1:消費税ゼロはいつ実現するの?
高市首相は「2026年度内の食料品消費税減税の実施を約束できる」と発言しています。
スケジュール案では、夏前に国民会議の中間取りまとめ→秋の臨時国会で法案成立→2027年4月施行という流れが浮上しています。
👉関連記事:食料品消費税ゼロはいつから?
ただし財源の具体策が示されていないため、この通り進むかどうかは現時点では未確定です。
Q2:国民民主はなぜ保留したの?
玉木代表は「自民がまず党内案を示してから来てほしい」というスタンスです。
参加自体を拒否しているわけではなく、「自民が先に自分たちの設計図を作るべき」という順番の問題として整理しています。
Q3:食料品ゼロで私の生活はどう変わる?
食料品(外食・酒類を除く)の消費税がゼロになれば、たとえば月3万円の食費なら現在3,000円の税負担が0円になります。
ただし外食や酒類は対象外とみられており、「どこまでが食料品か」の線引き議論も残っています。
この記事は続報が出次第、随時更新していきます。
筆者紹介|なおじ
なおじは元社会科教師として教育現場に35年間携わり、指導主事を5年、校長を11年務めました。退職後もボランティアで子どもたちに学習を教えています。
社会科の授業では、消費税の導入から増税の歴史を繰り返し教えてきました。「なぜ税金を払うのか」「財源はどこから来るのか」は、今回の国民会議でも問われている本質的な問いです。