
2025年8月27日午後、警察組織を根底から揺るがすニュースが日本中を駆け巡った。
大阪府警生活安全特別捜査隊の警視・辻本浩嗣容疑者(53)が、16歳未満の少女に対する不同意わいせつ容疑で逮捕されたのだ。
しかも二人の出会いは「パパ活」—まさに青少年を守るべき専門部署のナンバー3が、自ら加害者となってしまった前代未聞の事態である。
一体なぜこんなことが起きてしまったのか?
捜査の過程で何が明らかになったのか?
複数の報道機関が伝える情報をもとに、この衝撃的な事件の全容を徹底解説していこう。
事件概要|カラオケ店で発覚した「特別捜査官」の暗部
基本情報と逮捕の経緯
【事件の基本データ】
項目 | 詳細 |
---|---|
逮捕日 | 2025年8月27日 |
容疑者 | 辻本浩嗣(つじもと ひろつぐ)53歳 |
階級・職位 | 警視・特別捜査官(同隊でナンバー3の幹部) |
所属 | 大阪府警本部生活安全特別捜査隊 |
住所 | 大阪府八尾市堤町 |
容疑 | 不同意わいせつ |
被害者 | 16歳未満の少女 |
事件発生から逮捕まで—防犯カメラが決定打に
事件の発覚は意外な形で始まった。
**7月上旬、少女の家族が行方不明者届を提出。
**その後、府警の警察官が少女を保護した際、「わいせつな行為を受けていた」との証言が得られたのだ。
捜査が本格化すると、防犯カメラの映像解析から辻本容疑者の関与が浮上。
6月下旬、大阪府内のカラオケ店個室での犯行が明らかになっていく。
皮肉にも、辻本容疑者自身が日頃から手がけている捜査手法によって、自分の犯行が暴かれることになったのだ。
逮捕容疑の詳細|「パパ活」で築かれた歪んだ関係
「特別捜査官」が陥った禁断の関係
逮捕容疑の詳細は以下の通りである:
- 日時: 2025年6月下旬
- 場所: 大阪府内のカラオケ店個室
- 行為: 16歳未満と知りながら少女の体を触るなどのわいせつ行為
- 関係: SNSで知り合った「パパ活」の相手
- 金銭授受: 辻本容疑者から少女への金銭提供あり
取り調べに対し辻本容疑者は「間違いありません」と容疑を全面的に認めている。
SNSが生んだ危険な出会い
報道によると、二人はSNSを通じて知り合ったという。
デートや性的な行為の対価として金銭を受け取る「パパ活」の関係だったとみられている。
ここで重要なのは、辻本容疑者の職務内容だ。
生活安全特別捜査隊は、まさに「パパ活」による性犯罪の捜査を専門とする部署。
違法風俗店の摘発なども手がけており、辻本容疑者は特別捜査官として隊長、副隊長に次ぐナンバー3の地位にあった。
つまり、パパ活の危険性を誰よりも熟知していたはずの専門家が、自らその加害者となってしまったのである。
生活安全特別捜査隊とは|青少年を守る「最後の砦」の矛盾
専門部署の役割と責任
辻本容疑者が所属していた「生活安全特別捜査隊」は、その名の通り生活安全に関わる特別な事件を扱う精鋭部隊。
主な担当分野:
- 少年・少女が関わる各種事件の捜査
- 「パパ活」などによる性犯罪の捜査
- 違法風俗店の摘発・捜査
- 青少年の健全育成に関わる業務
過去の「模範的」な姿—皮肉な対比
特に注目すべきは、辻本容疑者の過去の活動。
報道によると、西成警察署に所属していた2024年11月には、高校生に対して「闇バイトで犯罪に関わらないよう」指導を行っていた。
その際の辻本容疑者の言葉:
「(犯罪グループから)脅迫にあっても、必ず引き返すことができるチャンスはあると思います。そういう勇気は持って下さい」
わずか半年余り後に自分が手錠をかけられることになるとは、当時誰が想像できただろうか。
青少年に「引き返す勇気」を説いていた人物が、自らは引き返せない道を歩んでいたという現実は、あまりにも重い。
大阪府警の対応|「言語道断」では済まない組織的課題
幹部の厳しいコメント
今回の事件を受け、大阪府警監察室の国井栄次室長は記者会見で厳しい言葉を使った:
「警察官としてあるまじき行為で言語道断。捜査結果を踏まえて厳正に対処する」
組織管理の根本的見直しが急務
しかし、問題はコメントだけでは解決しない。
なぜこのような事件が防げなかったのか?
組織として以下の点で検証が必要だろう:
検証項目 | 具体的課題 |
---|---|
職員管理 | 私生活の監督体制は適切だったか |
内部統制 | 不正行為の早期発見システムはあったか |
研修制度 | 倫理研修の効果は十分だったか |
採用基準 | 適性検査に問題はなかったか |
特に重要なのは、捜査情報の悪用がなかったかという点だ。
府警は「捜査情報が悪用された形跡はない」としているが、職務上知り得た情報がパパ活の相手探しに利用されていなかったか、より詳細な調査が求められる。