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有権者は選挙で何を重視して一票を投じるのかを元社会科教師の経験から読み解く

こんにちは、なおじです。

選挙のたびに、「有権者は何を重視して一票を投じているのか」が話題になります。
調査を見ると、政策、景気・物価、社会保障、人柄など、いくつかのキーワードがいつも上位に並ぶ傾向が見られます。

一方で、「特にない」「よく分からない」と答える人も一定数います。
この層をどう見るかは、政治教育にとっても大きなテーマと言えそうです。

なおじとしては、「なんとなく」を責める前に、その背景にある情報格差や学ぶ機会の差を一緒に考えたいと感じています。

選挙

この記事でわかること

・有権者が投票先を選ぶときに重視している代表的なポイント
・景気・物価が最優先になりやすい理由と世代別の違い
・メディアやSNSなど情報源が投票行動に与える影響
・元社会科教師として、主権者教育で大事にしたい問いの立て方

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目次

有権者は選挙で何を重視しているのか

選挙が近づくと、「有権者はどんな観点から候補者や政党を選んでいるのか」という点が、ニュースでも教室でも話題に上ります。

各種調査では、経済・物価や社会保障、外交・安全保障、候補者の人柄などが、重視されるポイントとして定番ですよね。

しかしその一方で、「これといった基準はない」「正直よく分からない」という声も、一定数含まれているのも確か。

この人たちをどう位置づけるかは、主権者教育やメディアリテラシーの授業で、必ず向き合わざるをえない問いだと受け止めています。

データで見る「何を重視するか」―政策・物価・人柄

調査データが示す「重視ポイント」の実態

最近の参議院選挙の調査では、「経済や物価対策」「景気回復」といった項目を最も重視する人が、全体の約5割前後。

続いて、「年金・医療・介護などの社会保障」が2割、「安全保障・外交」「子育て・教育」などがその後に並ぶ構図が、多くの調査で確認されています。

別の調査では、「政党の政策・活動」と「候補者の政策・主張」を重視すると答えた人が、どちらも5割前後で拮抗。

多くの有権者が、「どの政党か」と同時に、「誰がどんな言葉で語っているのか」をセットで見ている様子がうかがえます。

👉関連記事:経済安全保障 推進法 わかりやすく解説|高市政権の危機管理 

なぜ景気・物価が最優先になるのか

物価高や賃金の伸び悩みが続く中で、家計に直結するテーマが投票行動の中心になるのはごく自然な流れです。

若い世代にとっては、奨学金や家賃、将来の子育て費用など、「これから」に関わる不安が「経済政策」という形で意識されやすい面もあります。

なおじの分析では、高齢層が年金・医療・介護に、現役世代が賃金・物価・子育てに、それぞれ重心を置くことで、「みんな経済を見ているのに、焦点が微妙に違う」という構図が生まれているように感じます。

このズレが「世代間対立」という見出しで語られることもありますが、本当は「どこに一番不安を抱えているのか」の違いとして捉え直す必要があるのではないでしょうか。

授業でどう扱うか・生徒の反応

社会科の授業で選挙を扱うとき、なおじは必ず「あなたなら何を重視する?」という問いを黒板に書いていました。

実際に挙がるのは、「お金」「働きやすさ」「戦争が起きないこと」「地元への貢献」など、教科書に並んでいるキーワードと大きくズレない答えが多かった印象です。

一方で、「よく分からない」「誰に入れても同じでは」という声も、ときどき教室から聞こえてきました。

そのときは結果を評価する前に、「なぜそう感じるのか」「どんな情報があれば決めやすくなるのか」を一緒に考える時間を意識的に取るよう心がけていました。

情報源・メディアと「重視ポイント」の関係

有権者はどこから情報を得ているのか

ある調査では、参院選の投票先を決める際に参考にした情報源として、「テレビ番組」「新聞・新聞社サイト」「インターネットニュース」「候補者・政党のホームページ」「SNS」などが挙げられています。

特に、中高年層では新聞・テレビ、若い世代ではインターネットやSNSの比重が高いという結果が出ており、世代によって情報の入り口が違うことがわかります。

また、街頭演説やポスター、選挙公報を「よく見ている」と答える人も少なくありません。
ポスターを重視する人が3割前後という調査もあり、「視覚的な印象」や「キャッチコピー」が、想像以上に判断材料になっていることが示されています。

メディアと有権者の「ズレ」をどう見るか

高市政権の支持率をめぐっては、一部のメディアの厳しい論調と、世論調査での一定の支持との間に「温度差」があると指摘されたこともあります。

こうしたズレは、高市政権に限らず、これまでの内閣でも繰り返し見られてきたテーマでもあります。

なおじの見解としては、メディアの批判そのものは民主主義に必要な機能ですが、「どのメディアが、どんな前提や価値観から語っているのか」を意識しないまま受け取ると、一方的な印象だけが強まってしまう危険もあると感じています。

「自分と違う視点の情報をあえて取りにいく」習慣が、投票時に重視するポイントのバランスを整える助けになるのではないでしょうか。


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主権者教育で押さえたいメディアリテラシー

主権者教育の現場では、「どの情報を信頼するか」「どう確かめるか」を話題にすることが重要だとされています。

たとえば、「〇〇党が日本を滅ぼす」「××候補は売国奴だ」といった極端な表現がSNSで流れてきたとき、どう受け止めるかは、単なる知識だけの問題ではありません。

元教師の経験から言えば、「この情報が本当だとしても、そうでなかったとしても、自分の行動はどう変わるだろう?」と一度立ち止まる習慣を、授業やホームルームで共有しておくことが大事だと感じています。

そうした「待つ力」が、結果として、より納得感のある「重視ポイント」を選ぶことにつながっていくのではないかと考えています。

元教師として考える「一票の重さ」と問い続けたいこと

教室で感じた「なんとなく投票」の根っこ

中学生に模擬選挙をしてもらうと、「友だちが入れると言っていたから」「なんとなく名前を知っていたから」という理由も一定数出てきます。

大人の世界でも、「テレビでよく見かけるから」「なんとなく安心そうだから」という回答は、決して珍しいものではありません。

なおじの分析では、「なんとなく」という言葉の裏側には、「よく分からないけれど参加しないよりはまだいい」「間違えたくない不安がある」といった感情が隠れていることが多いように感じます。

その不安を静かに受け止めながら、一歩ずつ「理由のある一票」に近づけるサポートが、学校やメディアに求められているのではないでしょうか。

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なおじの分析―価値観の違いをどう受け止めるか

調査を眺めていると、「安全保障」を最優先にする人と、「福祉」を最優先にする人が、かなりはっきり分かれているケースもあります。

どちらが正しいかというよりも、「何を一番守りたいのか」「何を一番怖いと感じるのか」が違うだけ、と捉え直すと、相手の見え方が少し変わってきます。

なおじの見解としては、「自分とは違う重視ポイントを持つ人」がいることを前提に、対話の場をどうデザインするかが、これからの民主主義の大きな課題だと感じています。

その意味で、「あなたは何を重視して一票を投じたいですか?」という問いを、それぞれの生活の場で繰り返し投げかけていくことが大事なのかもしれませんね。

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授業や日常でできる小さな一歩

授業の中では、実際の調査結果をグラフにして、「自分はどこに位置しているのか」を考えてもらう活動が効果的でした。

そのうえで、「もし今の自分と違う答えを選ぶとしたら、どんな理由があり得るか」を想像してもらうと、他者の価値観への想像力が少し広がる様子が見られました。

日常生活でも、家族や友人と選挙の話をするときに、「どの政党が好きか」ではなく、「どんな社会になってほしいか」から話し始めてみると、対立よりも共通点が見えやすくなります。

そうした小さな対話の積み重ねが、結果として「何を重視して投票するか」を少しずつ変えていくのではないかと、なおじは受け止めています。

Q&A:有権者の「重視ポイント」に関する疑問

Q1. みんな本当に政策を見て投票しているのでしょうか?

調査では、「政策」を重視すると答える人が多数派ですが、「よく分からない」「特にない」という層も一定数います。

全員が政策集を細かく読み込んでいるとは言えませんが、「生活に関わるテーマ」を手がかりに、少しずつ政策に近づこうとしている姿も見えてきます。

Q2. 若者はどんな点を重視していることが多いですか?

若い世代は、「雇用」「教育」「子育て」「将来の負担」などを通じて、経済政策や社会保障に関心を持つ傾向があります。

同時に、SNSなどで見かける情報の影響も受けやすいため、情報の確かめ方を一緒に考えることが重要だと感じます。

Q3. 「なんとなく」で投票するのはダメなことなのでしょうか?

「なんとなく」の背景には、「情報が多すぎて選びきれない」「誰を信じていいか分からない」といった不安が隠れている場合もあります。

完璧な判断を自分に求めすぎるよりも、「次は少しだけ情報源を増やしてみよう」といった小さな一歩を重ねることが、より納得のいく一票につながると、なおじは感じています。

著者紹介|なおじ

なおじ:元小中学校社会科教師・元バスケットボール部顧問。政治や歴史を、教室で話すようなテンポでわかりやすく伝えることを楽しんでいるブロガーです。​

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